シーズンのフィナーレの雰囲気が漂うアブダビで突如、ロン・デニスが口にしたフェルナンド・アロンソの来季休養説。果たしてその真意はどこまで信憑性のあるものだったのか。

 おおもとの発端は今年9月の日本GP。アロンソが苦戦続きでライバルよりも競争力の劣るホンダのパワーユニットを「これはGP2エンジンか?」と無線で怒りをぶちまけた。このレースの後、アロンソは「僕はレースをしたいし、勝ちたい」という思いを強調、フラストレーションもあったのか来年のF1参戦については「分からない」と曖昧な回答を口にしていた。

 実際、今季最終戦のアブダビでもメルセデスに比べて明らかにストレートスピードが劣っていたマクラーレン・ホンダは、信頼性こそ改善の兆しを見せているが、ライバルに対するパフォーマンスという面では到底及んでいないのが現実だ。

 そんななか、ヤス・マリーナのパドックで予選を前にインタビューを受けたマクラーレンCEOのデニスは、仮に来年のマシンが競争力を備えていなかった場合は、アロンソが休養をとる可能性を示唆した。

「私はどんなことにもオープンな考えでいる。色々な可能性も考えて対応策も練ってきた。正直なところを言うと、彼の休養という選択肢も存在する」
「ただ現状は来年もフェルナンドとジェンソン(・バトン)で戦う予定だ」

 しかし、予選後にデニスのコメントを聞いたアロンソは困惑していた。休養をとる可能性はあるのかと問われると「いや、僕はグリッドにいる」とこれを否定し、「その発言にどんな意図があるのかは分からない」と語っている。

 ただ、その後もう一度この件について聞かれたアロンソの答えは「100パーセント断言できることなどない」との前置きで多少ニュアンスも変わった。
「僕はレースをするためにここに来ているつもりだ。来年はそれを実現させたいと思っている。来年の僕の選択肢の中にレースをしないという選択肢はない」

 アロンソが口にした“レース”というフレーズには、競争力のあるマシンでライバルと対等に戦うという意味が込められているのかもしれない。それでも、この冬のハードワークで来季は十分な競争力を手にできると彼は確信しており、休養の可能性を否定している。

 デニスも翌日には「フェルナンドは来年もドライブする」と英Sky Sports F1へ改めて明言。最初の発言については、「彼が休養をとることは可能かと、誰かが聞いたので私はどんなことも可能だと答えた。我々は選択肢のひとつとしてそれについて話したが、そのジャーナリストは私が最後に『フェルナンドとジェンソンが来年もドライブする』と言ったことを忘れている」と弁明、一連の問題は終わったと結論づけている。

 いずれにしろ、“休養”という選択肢が語られることこそ、今のマクラーレン・ホンダとアロンソの現状を表している。
 2016年のマクラーレン・ホンダが始動する2月のプレシーズンテスト。そこで彼らの期待通りの進歩が示されなければ、今後もこうした話が再燃することになる。

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