2015 イタリアFIA-F4第5大会(アドリア)レビュー
–佐藤万璃音、頭脳戦を展開して2位表彰台獲得–
■大会概要
開催地:イタリア・アドリア(アドリア・インターナショナル・レースウェイ:一周2.702km)
開催日:2015年9月5日(土)〜6日(日)
■アドリア・レビュー
9月5日(天気:薄曇り/路面:ドライ)練習走行1回目 12番手/練習走行2回目 8番手
9月5日(天気:薄曇り〜雨/路面:ドライ〜ウェット)予選1回目 9番手/予選2回目 13番手
9月6日(天気:晴れ/路面:ドライ)レース1決勝(28分間+1周)6位
9月6日(天気:晴れ/路面:ドライ)レース2決勝(18分間+1周)2位
9月6日(天気:晴れ/路面:ドライ)レース3決勝(28分間+1周)14位
イタリア・アドリアのアドリア・インターナショナル・レースウェイで9月5〜6日、イタリアFIA-F4第5大会が25台の参加で開催されました。この大会には国内外のカートレースで活躍してきた佐藤万璃音(さとうまりの/16歳)が、ヴィンチェンツォ・ソスピリ・レーシング(VSR)から参戦。4日に4時間×2回の公式合同テスト、5日に40分間×2回の練習走行と15分間×2回の予選、6日に28分間+1周の決勝レースを2回と18分間+1周の決勝レースを1回という厳しい日程にもかかわらず無事に戦い抜きました。
曇天の5日に実施された予選で佐藤は、レース1決勝のグリッドを決める予選1回目は9番手、レース3決勝のグリッドを決める同2回目は13番手でした。2回目はセッション開始早々に空から雨粒が落ち始める中、渾身のタイムアタックで自己ベストのペースで周回。しかし最終コーナーへ来た時点で、降雨を理由に赤旗が掲示されてしまいました。その後、セッションは再開されますが誰もタイムを縮められず、赤旗が再び掲示されて終了となりました。
6日午前に実施されたレース1決勝、1周目に前方で事故が発生して9番グリッドの佐藤は早くも7番手へ順位を上げました。しかし、ペースの遅いグリッド後方のライバルが事故の間隙を突いて6番手へ浮上、しかも後方からはチームメイトを含む2台が後ろから迫ってきました。この難しい状況のもと、佐藤は手を変え品を変えて果敢に攻め立てて前を行くライバルのミスを誘い、レース中盤に7番手から6番手へ浮上しました。この競り合いでタイヤを消耗させた影響もあり表彰台には届かなかったものの、6月末にイモラで開催された第3大会レース1決勝4位以来のポイント獲得となる6位でチェッカードフラッグを受けました。
同日昼に実施されたレース2決勝には、レース1決勝の結果に基づき5番グリッドを得ました。スタートからしばらくは位置取りに手を焼きながらも、3番手へ浮上して1周目を終えました。後方で発生した事故でSC導入/退去を挟んだリスタート後、前を行くクルマに何度か仕掛けて8周目の第1コーナーで追い抜き2番手へ浮上。しかしそれも束の間、接触を伴っていた影響で加速が鈍り、後ろのクルマに抜かれて順位は3番手のままでした。レース終盤、前を行くチームメイトを抜いて2番手へ浮上しました。再び後方で事故が発生してSC導入のままながらチェッカードフラッグ、佐藤はフォーミュラカー転向後初めての表彰台に2位で立ちました。
同日夕刻のレース3決勝を11番グリッドで迎えた佐藤は、一時は9番手まで順位を上げました。しかし、レース半ば以降はペースが上がらず徐々に後退し、14位でチェッカードフラッグを受けるに留まりました。
なお、佐藤の次のレースは9月18〜20日にイタリア・イモラで開催されるイタリアFIA-F4第6大会となります。引き続き佐藤に対するご支援とご声援をよろしくお願い申し上げます。
■佐藤万璃音のコメント
「予選は運にも恵まれませんでした。とくに2回目は、もし赤旗の掲示が7秒遅かったら2番手だっただけに残念でした」
「レース1決勝は、スタートも悪くありませんでしたし、前方のクラッシュにも巻き込まれませんでした。ただ、ペースの遅いクルマに手こずりました。それでも頭を使ってどうにか抜き、前大会で取れなかったポイント獲得となりました」
「レース2決勝は、スタート後の1周目の位置取りに苦労しながらも3番手で戻って来れました。後ろには速いドライバーが居たので、早く前へ出ようとしましたが叶いませんでした。先頭を走るドライバーのペースは自分より0.3秒速く、優勝には及びませんでしたが、フォーミュラカーで初の表彰台獲得となりました。早く表彰台の真ん中に立ちたいですね」
「レース3決勝はスタートがうまく決まり、クルマのフィーリングも良かったので序盤からプッシュしました。ところが、攻めの姿勢がタイヤにフラットスポットを作る原因となり、周回毎にひどくなってペースを上げられませんでした。せめて入賞圏内の順位をキープしようとしましたが叶わず、とても悔しいレースでした」
「ムジェロで開催された前大会に比べれば良い結果を残せましたが、レース3決勝の結果でも明らかなように、逆境からの立て直しという面で経験不足を痛感しました。とはいえ、コース幅が狭く順位を上げるのが厳しいこのコースで、何台もの追い抜きができたのは自信になりました」
「次のイモラは6月の第3大会でも、そのあとのテストでも調子が良かったので、誰よりも僕がいちばん期待しています。しっかりと身体の準備を整えて、次こそ表彰台の真ん中に立ち、皆さまの期待に応えます。応援よろしくお願い致します」