ウイリアムズは、23日、2014年を戦うマシン、ウイリアムズ・メルセデスFW36のイメージを公表した。このマシンはウイリアムズが製造したF1マシンの中で最も技術的に進化したマシンのひとつであると、チームは述べている。
ウイリアムズ・メルセデスFW36は2年以上の研究・開発を経て誕生したマシンであり、新パートナーであるメルセデス・ベンツのパワーユニットを搭載する。
2014年のF1では1.6リッターV6ターボエンジンが新たに採用されることが一番の大きな変更点だ。
「今年のマシンにはこれまで以上にたくさんのテクノロジーが導入されている」とウイリアムズのチーフテクニカルオフィサーであるパット・シモンズは述べている。
「以前にもターボエンジンをF1で使用したことはあるが、今回はエンジンが変わったというだけでなく、システムが完全に異なっているのだ」
このチャレンジに対処するため、ウイリアムズはメルセデス・ベンツ・ハイ・パフォーマンス・パワートレインズと契約した。F1でメルセデスと組んだのは初めてだが、非常にいい手ごたえを感じており「このパワーユニットには競争力があると最大限の自信を感じることができる」とシモンズは述べている。
規則変更による、クーリング、重量、新しいギヤボックス、空力への対処は簡単ではなかったとシモンズは認めている。
ERSシステムは非常にパワフルになったため、これまで以上の冷却が必要になったという。
また、ウイリアムズは、チームの歴史上初の8速ギヤボックスを製造した。
メルセデスから購入する可能性も検討したが、チームは自身で製造することを選んだということだ。
「我々はギヤボックスを比較的早い時期に仕上げた」
「テストリグやブリックスワースに位置するメルセデスHPPでたくさんの走行を行った。だが信頼性に100パーセントの確信を持つことはできない」
「これは完全に新しいギヤボックスであり、V8の時よりかなり大きなトルクに対処しなければならない」
今年のF1マシンの最低重量は690kgであり、ウイリアムズはこれに近づけるという難しい仕事を成し遂げたという。
クラッシュテストにパスした時期は他のチームと比べてもかなり早い段階だったとウイリアムズは明かしている。
「新車の製造は非常にスムーズにいった」とシモンズ。
「しかしマシンを最低重量に近づけるのはとても難しい仕事だった」
「成し遂げることは可能だったものの、楽ではなかった。新しいパワーユニットがこれまでのV8より重かったからだ」
2014年のF1でも空力の果たす役割は大きく、ウイリアムズはそのエリアで一歩前進したとシモンズは述べている。
「F1では2014年も引き続き空力が重要になる」とシモンズ。
「大きな変化がいくつかある。昨年よりノーズが低くなり、フロントウイングの幅が狭くなる。それによってエンドプレートはフロントタイヤより内側に位置する」
「リヤウイングは昨年ほど深くなく、ビームウイングは禁止された。エアロパフォーマンスを強化するために排気を利用することが不可能になった」
実際にコース上を走るまでは、マシンのパフォーマンスを予想することはできないが、シモンズは昨年より上位に近づけると自信を示している。2013年のウイリアムズは、獲得ポイントわずか5点で、ランキング9位に沈んでいた。
「我々は昨年よりも空力的に上位に近づけたと自信を持っている」とシモンズは言う。
「今の我々の野心は、強力な2014年シーズンを送ることだ」
メルセデスエンジンを搭載したウイリアムズFW36は、28日にスタートする今年初めてのF1合同テストでコースデビューを果たす。
テスト期間には伝統的なブルーカラーを施したマシンで走行するということだ。