今シーズン限りでF1を引退したマーク・ウエーバーが今週、ポルトガルのアルガルベ・サーキットで予定より早くポルシェのLMP1カーのテストに臨んでいたことが分かった。
ウエーバーは、来季からポルシェのワークスドライバーとしてWEC世界耐久選手権やル・マン24時間耐久レースのLMP1クラスに参戦する。ただ、F1におけるレッドブル・レーシングとの契約が12月末まで続いているため、ポルシェのLMP1カーを初ドライブするのは来年1月になる見込みとなっていた。
そんな中、契約を有するレッドブルがウエーバーのポルシェでのテストを許可。予定より早い初走行が実現することとなった。テストを終えたウエーバーは、次のように語っている。
「この魅力的なプロジェクトにおける僕の初日は、強烈な体験だったよ。プロジェクトへの早期参加の機会を与えてくれたレッドブルに感謝しているよ」とウエーバー。
「これは、僕たち全員にとって非常に重要なステップだ。僕がいち早くチームに溶け込み、LMP1カーの開発に貢献することができるからね」
今回のアルガルベテストは、サスペンションと、ミシュランと共同で行っているタイヤテストに主眼が置かれている。ポルシェのワークスチームはここまで、ラウジッツ、マニクール、モンツァ、そしてポルシェの自社コースであるバイザッハでテストを行ってきた。ポルシェのLMP1プロジェクトを率いているフランツ・エンジンガーによると、これらのテストは「大幅な進歩」をもたらしたという。
またエンジンガーは、ウエーバーのテスト参加を許可したレッドブルに感謝の言葉を述べるとともに、開発については次のようにコメントしている。
「1キロ1キロが重要で、開発を前に進める新たなデータになるんだ」
「我々の努力は2014年に入っても引き続き衰えないよ。4月中旬のシルバーストンでの開幕まで、まだやることはたくさんあるからね」
来季の開幕に向けて開発が進んでいるポルシェのLMP1カーには、直噴4気筒のガソリンエンジンと、2つのエネルギー回生システム(ERS)が搭載されているという。また今回のテストをもって、ポルシェLMP1における年内のテストプログラムはひとまず終了となった。
ポルシェは現在、LMP1プロジェクトのドライバーとして、ウエーバー、ニール・ジャニ、ティモ・ベルンハルト、ロマン・デュマの4人を起用している。2台体制のマシンにそれぞれ3人のドライバーを用意する予定となっていることから、今週末に行われるポルシェの表彰式で残りの2名が発表されるものと見られている。