2011年F1第7戦カナダGPが現地時間10日にモントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットで幕を開け、午前に行われたフリー走行1回目はメルセデスのニコ・ロズベルグがトップタイムをマークした。
今シーズン唯一の北米ラウンドとなるカナダGPは、事前の予報で天候不安が懸念されていたが、初日の金曜日には気持ちのよい青空が広がった。フリー走行1回目がスタートする午前10時時点の気温は17度、路面温度は28度を記録した。
タイヤサプライヤーのピレリは、このカナダに前戦モナコと同じスーパーソフトとソフトの2種類を持ち込むとともに、新型のミディアムタイヤを金曜2回の走行用に各ドライバーに2セットずつ供給している。
そうしたなかでスタートを迎えた最初のセッションは、開始20分過ぎにトロロッソをドライブするリザーブのダニエル・リカルドがファーストタイムを記録。そのリカルドは今回、セバスチャン・ブエミのマシンを走らせている。
序盤、上位勢ではいち早くタイム計測に向かったメルセデスのミハエル・シューマッハーとフェラーリのフェルナンド・アロンソがミディアムタイヤで1分20秒台を切り、走り始めをリードした。
その後、開始から30分を過ぎると、今度はマクラーレンのルイス・ハミルトンがアロンソのトップタイムを上回り、レッドブルもマーク・ウエーバーがアタックをスタートさせる。しかし、セッション折り返しとなる45分を迎えると2度目のコースインとなるアロンソ、そしてメルセデスのロズベルグ、ウエーバーらが立て続けに1分18秒台をマークし、さらにはフェラーリのもう一台を駆るフェリペ・マッサが1分17秒台に入れてきた。
そうしたなか、セッション開始から1時間弱が経過したところで、アタックラップ中のセバスチャン・ベッテルが最終シケイン先のウォールにクラッシュする。ベッテルはオーバースピードでシケインに飛び込むと、切り返しもむなしくバランスを崩してアウト側にある“チャンピオン・ウォール”と呼ばれるバリアに接触。右フロントタイヤを中心にマシンの右サイドに大きなダメージを受けたベッテルは、無事にマシンを降りたものの、残りの走行を断念することとなった。
その後、セッションは5分ほどの赤旗中断を経て、すぐに再開。そこからの走行では、滑り出し好調なフェラーリ勢が再びタイム更新に成功し、マッサとともに1分16秒台に入れてきたアロンソがトップに返り咲いた。
さらにセッションも残りが10分を切ると、今度はメルセデスのロズベルグがアロンソのタイムを更新。ロズベルグは最終的に1分15秒591までタイムを縮めると、そのままオープニングセッションをトップで終えた。2番手はアロンソ、3番手にはシューマッハーが入った。
マクラーレンはジェンソン・バトンが5番手。レッドブルのウエーバーは12番手。また、ザウバーはセルジオ・ペレスが11番手、期待の小林可夢偉は最初の走行を20番手で終えている。