スーパーGT第3戦セパンは16日、54周の決勝レースが行われ、ポールポジションからスタートしたカルソニックIMPUL GT-Rが、ライバル勢とのバトルを勝ち抜き優勝を飾った。2位はDENSO KOBELCO SC430、3位はRAYBRIG HSV-010が入った。
今年も気温32度、路面温度42度という厳しいコンディションで迎えたスーパーGT第3戦セパンの決勝レース。やや雲がかかっているものの、今年も酷暑の54周がスタートした。1コーナーでポールポジションのカルソニックIMPUL GT-Rがキープするも、2番手スタートでソフトタイヤを履くZENT CERUMO SC430が1周目から首位をうかがう展開。一方、ZENT SC430の後方にはKeePer TOM'S SC430が続くが、4番手にはREITO MOLA GT-Rがジャンプアップ。松田次生駆るカルソニックGT-Rと平手晃平のZENT SC430のバトルにより、序盤先頭集団は差が開かないままレースが展開された。
序盤の僅差のバトルは断続的に続き、5周目には関口雄飛駆るREITO MOLA GT-RがKeePer SC430をかわし3番手に浮上。また、予選でコースアウトを喫したウイダー モデューロ HSV-010も、山本尚貴のドライブで少しずつポジションを上げていく。そんな中、迎えた6周目のターン14で、2番手をうかがった関口のREITO GT-Rと、ZENT SC430がクラッシュ。ZENTはスピンを喫し、さらに右リヤタイヤがバーストしてしまい大きく遅れてしまった。一方REITO GT-Rがポジションを落とす中で、ウイダー モデューロが3番手に浮上。さらに2番手KeePer SC430をかわし、2番手に躍り出た。
2番手に浮上したウイダー モデューロは、少しずつカルソニックとのギャップを詰めると、14周目にはテール・トゥ・ノーズへ。しかし、カルソニックは松田が巧みなドライビングをみせ、膠着状態に入るかと思われた18周目の14コーナー進入でラインを変えた山本が前へ! トップに出たウイダー モデューロは少しずつ後方とのギャップを築いていった。
上位陣のピットインのタイミングは、22周を迎える頃から。上位陣では3番手を走っていたKeePer TOM'S SC430が最初にピットへ。直前にREITO MOLA GT-Rと接触したMOTUL AUTECH GT-Rも同時にピットに向かう。さらに、翌周には2番手カルソニック、4番手DENSO KOBELCO SC430、5番手RAYBRIG HSV-010が同時にピットへ。首位ウイダー モデューロも26周を終えピットに向かった。
山本からフレデリック・マコウィッキに交代し、無事作業を終えたかに見えたウイダー モデューロだったが、リスタート時になかなかエンジンがかからない。これで20数秒をロスしたウイダー モデューロは一気に後退。再びカルソニックが首位に返り咲いた。
ピットストップを終えると、首位カルソニックの後方にDENSO KOBELCO SC430が続き、3番手にはピットアウト直後、KeePer SC430を駆る伊藤大輔とのバトルを制した小暮卓史のRAYBRIG HSV-010が続くことに。ウイダー モデューロは大きくポジションを落としてしまったが、マコウィッキが会心のペースで追い上げを開始。ファステストラップを連発し、36周を迎える頃には3番手集団を射程にとらえた。
しかし、4番手を走るKeePer TOM'S SC430はなかなかウイダー モデューロ HSV-010に付け入らせず、ジリジリと周回数が減っていく。さらに、ウイダー モデューロのフロントガラスに貼られていたティアオフフィルムが剥がれるマイナーアクシデントも発生。ウイダー モデューロの反撃も勢いを失ってしまう。しかし、KeePer TOM'S SC430はファイナルラップにNAC攻殻機動隊ARISE DR PORSCHEと接触したか、左リヤタイヤがバースト。これでウイダー モデューロが4位まで順位を戻し、チェッカーを受けた。
そしてトップのカルソニックIMPUL GT-Rも逃げ切りを完遂し、嬉しい今季初勝利を飾った。2位はDENSO KOBELCO SC430、3位はRAYBRIG HSV-010と、3メーカーのマシンが表彰台を分け合った。