先月、ザウバーは、ロシア企業とのパートナーシップにより長期的にF1で戦うための基盤を確保したと述べていたが、この契約が実現しない可能性が生じていると報じられている。
深刻な資金難に陥っていたザウバーだが、7月15日、ロシアの国際投資協力基金、北西ロシア国家開発基金、国立航空技術研究所とパートナーシップを結び、F1参戦資金を得られたとの発表を行った。
この計画には国立航空技術研究所のボスの息子で17歳のセルゲイ・シロトキンを来年F1にデビューさせるためのプログラムも含まれている。
しかし、4億ユーロ(約521億円)におよぶ予定の投資はまだ全く実行されておらず、いまだにロシア企業から資金の提供が一切なされていないといわれている。
ドイツの情報筋の話としてCrash.netが伝えたところによると、この取引においていまだに重要なサインがなされておらず、その中のひとつがロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンであるということだ。
また、Bild紙は、国立航空技術研究所の上層部がザウバーの救済プランに反対していると報じている。
ザウバーは多数の支払いが滞っており負債額は約8000万ユーロ(約104億円)に上ると報じられている。エンジンサプライヤーのフェラーリ、タイヤサプライヤーのピレリへの支払いもなされておらず、フェラーリは早急に未払金の一部である700万ユーロを支払わなければエンジンの供給をストップすると述べているとの報道もある。
また、現在のドライバー、ニコ・ヒュルケンベルグ、エステバン・グティエレス、昨年のドライバー、小林可夢偉へのサラリー支払いにも遅れが生じているといわれている。
さらに、ザウバーが育成することになったセルゲイ・シロトキンの父で国立航空技術研究所の所長、オレグ・シロトキンに関して、その職が不確実になっていると報じられており、もし彼が国立航空技術研究所から離れることになれば、ザウバーとのパートナーシップに影響が出るかもしれない。