ハンガリーGPでゲストスチュワードを務めたデレック・ワーウィックが、ミハエル・シューマッハーに黒旗を提示して失格にしたかったが、残り周回数が少なかったために裁定を下すのが間に合わなかったと語った。
レース終盤、バリチェロとの10位争いの中で、シューマッハーは追い越そうとしたバリチェロをピットウォールぎりぎりまで押し付ける形で幅寄せした。幸いクラッシュには至らなかったものの、シューマッハーはこの危険な行為により次戦10グリッド降格のペナルティを受けた。
ワーウィックは、この一件について検討する時間が十分にあれば、失格処分を考えていただろうと語った。
「若手ドライバーたちに対するみせしめとしては、ブラックフラッグ提示の方がよかっただろうね」とワーウィックはラジオ5ライブに対してコメントしている。
「だが証拠のビデオを入手した時にはすでに時間切れになっていて、遡及的な措置をとるしかなかった」
「十分な周回数が残っていたら(失格にできただろう)……。でも証拠のビデオを見た上で、4人のスチュワードが意見を一致させなければならないからね」
ワーウィックは、ベルギーGPでの10グリッド降格のペナルティは、可能なペナルティの中では妥当なものだと述べた。
「ルーベンスとミハエルから話を聞いたが、ミハエルの対応の仕方は本当に残念なものであり、我々としては彼に10グリッド降格のペナルティを与えるほかなかった。証拠を見た上で、次戦、あるいは次の2戦にわたって出場停止にすることもできた」
「それでも10グリッド降格というのはスパでは大きなペナルティだ。これによってスパでは実質的に彼はレースができなくなるだろう。新しいスチュワードたちはああいったドライビングを容認したりはしないということを、彼が学び、肝に銘じてくれるよう願う」