26日に鈴鹿サーキットで開催されたWTCC世界ツーリングカー選手権日本ラウンドの決勝レース2で、リバースグリッドのポールポジションからスタートしそのまま優勝を飾ったガブリエレ・タルキーニが、ホンダの地元での勝利の喜びを語った。

 ホンダは今季、タイトなスケジュールで2014年型マシンを開発する必要に迫られ、序盤戦から苦戦。シトロエン勢の先行を許し、ホンダの母国鈴鹿に向けてシビックWTCCの改良を進めてきたものの、予選では大苦戦を強いられた。予選後、ワークス格であるカストロール・ホンダWTCチームのタルキーニは、ふだんの柔和な笑顔からは想像できないほど厳しい表情を浮かべていた。

「昨日の予選ではペースが上がらず10番手になってしまい、本当に悲しかった。運良くリバースグリッドのポールポジションだったとしてもね」とタルキーニは、レース後その表情の“理由”を語った。

 ただ、ホンダ勢は決勝レースには自信があったという。実際、レース1で10番グリッドからポジションを上げたタルキーニは、上位と遜色ないペースを披露していた。

「僕たちは上海あたりから本当にレースペースが良くて、予選ペースではシトロエンやシボレーに及ばないけど、決勝レースはもっと近いはずだと思っていた。アルゼンチンまでの間に本当にハードワークしてきてマシンは改良されていたんだ。今後オフのテストで予選ペースも改善しなければならないけどね」

 迎えたレース2。タルキーニはスタートを決め、2番手スタートのドゥサン・ボルコビッチ(シボレー)との差を一気に広げにかかった。

「ティアゴ(モンテイロ)がレース1で『ボルコビッチのペースは速い』と教えてくれていたので、レース2はニュータイヤがあったこともあり、序盤にプッシュしようと思っていた。スタートを決めることができて良かったよ。終盤はタイヤをもたせるためにペースをコントロールした」とタルキーニは“作戦”を明かす。

 レース1でも同様だったように、前走車に近づくとグリップを失う状況があった鈴鹿では、スタートが最も重要だ。そのプレッシャーをはね除けたタルキーニはそのままギャップを築くと、苦境のホンダに嬉しい勝利をプレゼント。レース後、スタンドのファンに応えるかのようにコーナー各所でコースを外れ、手を振った。

「ホンダの母国、日本で優勝できて本当に嬉しいよ。たとえレース2の勝利だとしても」とタルキーニ。

「今日は鈴鹿サーキットの全体から良い意味でプレッシャーがかかっているようだった。だからこそ、こうして勝利を届けることができて本当に嬉しいんだ。ピットウォークでも、写真を撮る時でも、本当に日本の皆さんから期待が寄せられているのが分かっていたからね」

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