IZODインディカー・シリーズ第6戦がテキサス・モータースピードウェイで開催。“Firestone Twin 275s”と名付けられ、2レース制で行われる今回のレースは、10日に第1レースのグリッドを決める予選が行われ、アレックス・タグリアーニがインディ500に続く連続ポールを獲得した。佐藤琢磨は、攻めの走りでオーバル自己ベストとなる4番手から決勝に挑む。
275kmのレースを2回=ダブルヘッダーで行われるテキサスでのシリーズ第6戦には、4月に開催された第3戦トヨタ・グランプリ・オブ・ロングビーチの27台を上回る30台がエントリーしている。
予選日は快晴下、気温が摂氏37度と高く、蒸し暑いコンディションで予選が行われ、タグリアーニが2周平均215.186mphでポールポジションを獲得した。タグリアーニがポールを獲得するのは前戦のインディ500に続いての2回目で、チャンプカーでの5回を合わせると7回目となる。
タグリアーニはインディ500の直後にエンジニアをアンドレッティ・オートスポーツに引き抜かれてしまった。今回は急遽コンビを組むエンジニアとの戦いとなったが、そのエンジニアはダン・ウェルドン(ブライアン・ハータ・オートスポーツ)とインディ500を制したトッド・マロイ。インディ500でのサム・シュミットとブライアン・ハータのチームは協力関係にあったことから、両者のコンビネーションはスムーズに進んだようだ。
「チームの努力が2戦連続ポールに繋がったと思う。クルーたちはインディ500の前までよりもさらに一生懸命に働き、マシンを組み上げてくれた。僕らの力はまだまだこんなものじゃない。今後もっと良くなっていく。それはロードコース、ストリートコースでも同じこと。チーム・ペンスキーとウィル・パワーをロードでも追い回すよ。そうなれたらハッピーだね」とタグリアーニは語った。
予選2番手はダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ)。2周の合計タイムでタグリアーニに0.0874秒及ばなかった。予選3位はウィル・パワー(チーム・ペンスキー)となった。
予選4番手は2周平均241.470mphをマークした佐藤琢磨(ロータス/KVレーシング)。今回の琢磨は30番目、最後のアタッカーとしてコースインした。チームメイトのトニー・カナーンが5番手につけていたために期待が持たれていたが、彼を上回ってオーバルでの自己ベストとなる4番手に食い込んでみせた。ロードコースの予選では昨年のミド・オハイオで3番手となっているが、オーバルでのこれまでのベストはアイオワでの予選7番手だった。
予選5番手にはエド・カーペンター(サラ・フィッシャー・レーシング)が食い込む。インディ500に続く今年2戦目の出場で、2戦続けて予選で非常に良いパフォーマンスを見せている。予選6番手はカナーン、予選7番手はスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)。そして、予選8番手にはルーキーで今回がインディカー初出場のウェイド・カニンガム(サム・シュミット・モータースポーツ)が来た。彼が乗っているのは、今年のインディ500でウェルドンが優勝を飾ったマシンだ。
昨年度ウイナーのライアン・ブリスコ(チーム・ペンスキー)は9番手。トップ10最後のスポットはダニカ・パトリック(アンドレッティ・オートスポーツ)のものとなった。
アンドレッティ・オートスポーツはインディ500のポールを獲得したエンジニア、アレン・マクドナルドを今回から起用しているが、彼の担当するマイク・コンウェイは22番手、ライアン・ハンター-レイは16番手、マルコ・アンドレッテイは26番手と、期待に反してチームとしての予選でのパフォーマンスは決して良いものとはできなかった。
同様に、エリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)も予選13番手とテキサスでは苦戦している。
「攻めていくって言ったでしょ?」とマシンを降りてきた琢磨は笑顔を見せた。「抵抗の少ないセッティングにしてったんですよ。テキサスのオーバルはバンクがきつい分だけグリップがあり過ぎるような状況だから。ステアリングを切らなくてもコーナリングしてってくれるマシンにした。そういうセッティングって一歩間違えば大変なハンドリングになっちゃうんだけど、とてもうまく行って、本当に気持ちよく走れた」と琢磨は満足感を感じている様子だった。
