モナコGPで他車との接触に関して2回のペナルティを受けたルイス・ハミルトンは、レース後スチュワードを激しく非難したが、その後謝罪した。
ハミルトンはフェリペ・マッサとの接触の後にドライブスルーペナルティを科され、レース終盤のパストール・マルドナドとの接触に関しても、レース後20秒加算のペナルティを与えられた。
レース直後、BBCのインタビューに答え、ハミルトンはスチュワードの裁定に関して「とんでもないジョークだ。僕は今シーズンの6戦中5回スチュワードに呼ばれている」と憤りを見せた。
それはなぜだと思うと聞かれたハミルトンはふざけた調子で「たぶん僕が黒人だからだろう。アリG(注:コメディ映画のキャラクター)も言っている」と答えた。
ハミルトンは相手のドライバーたちに対しても激しく批判した。
「マッサは予選で僕を押さえた。でも僕がペナルティを受けた。(レースでは)彼が僕の方に切り込んできた。なのに僕がペナルティを受けた。マルドナドのインに入ったら、彼がターンインして僕に突っ込んできた。彼らドライバーは全く話にならない。こんなのばかげている」
しかしその後、ハミルトンはスチュワードのもとを訪れ、謝罪を行った。彼はイギリスのメディアに対し、スチュワードとの間にはわだかまりはないと語った。
「和解するためにスチュワードのところに行ってきた」とハミルトン。
「あれはジョークだったんだ。あの時は面白くなかったけれど。感情が高ぶっている時は、特にああいうレースを終えた後はとても神経が張り詰めているから、時には間違ったことを言ってしまうこともある。それを彼らに分かってもらった」
「僕らは和解した。彼らは僕の説明を受け入れ、理解してくれた。その後握手もしたよ。彼らは『タフなレースだったね。でも前に進もう』と言って、僕の今シーズンの活躍を祈ってくれた」
ハミルトンは、スチュワードが理解してくれたため、自分にさらにペナルティが科せられることはないだろうと述べた。
「最後に彼らは、FIAの他の人たちにも理解してもらうと言ってくれた。あれを聞いて誤解している他のすべての人たちに彼らは説明してくれるだろうから、ミーティングルーム以上のところに出る事態にはならないだろう」
また彼は、問題の発言はジョークだったのだと改めて主張した。
「あの発言をすべきだったかどうかって? さっきも言ったけど、僕は笑わそうと思って言ったんだ。でも面白くなかった」
「冗談を言うのがいつも適切だとはいえない。時にはまずいことを言ってしまって人を怒らせてしまうんだ」