2009年F1第10戦ハンガリーGPの決勝が終了し、表彰台に上った3人のドライバー、ルイス・ハミルトン、キミ・ライコネン、マーク・ウエーバーをはじめ、各ドライバーたちが、それぞれのレースについて語った。
2009年F1第10戦ハンガリーGP日曜日ドライバーズコメント
1 ルイス・ハミルトン(マクラーレン) 決勝1位
またトップに返り咲くことができて信じられないような気持ちだよ。ここまで本当に長く苦しい時期を過ごしてきたと思うからね。このレースは僕にとってベストレースのひとつだ。僕は決して諦めなかったし、もっと大事なのは、チームの中の誰ひとりとして諦めた人間はいなかったということだ。彼ら全員をとても誇りに思う。今日は勝てるとは思っていなかった。僕らは全体的なペースがいいとは思っていなかったんだ。でもマシンはパーフェクトで、レースの最初から最後まで最高のフィーリングだった。僕らは今週末の経験からできるだけ多くのことを学ばなければならない。僕らは今後もプッシュし続けるよ。それがこのチームが知る唯一の方法だからだ。これからは常に優勝を狙えるようになりたい。最後になったが、今日僕はフェリペのことを心配している。僕らにとってお祝いすべき日となったけれど、今夜病院のベッドで寝ている人がいることを忘れてはならない。皆を代表して、今日は僕ら全員がフェリペのことを考えていたこと、早く良くなることを願っているということを話しておきたい。
2 ヘイキ・コバライネン(マクラーレン) 決勝5位
チーム全員、特にルイスにとって素晴らしいレースだった。次は僕の番だといいな! この勝利は、チームがこの数カ月の間にマシンのパフォーマンスをどれだけ大きく改善してきたかを表している。チーム全員のハードワークの結果であり、全員がこの勝利を心からハッピーに思うはずだよ。それから、僕らはフェリペのことを心配している。彼がよくなるよう心から祈っているし、早くF1に戻ってこられるよう願っているよ。
3 フェリペ・マッサ(フェラーリ) 決勝出場せず
4 キミ・ライコネン(フェラーリ) 決勝2位
昨日フェリペにあのようなことが起こり、僕らにとって厳しい週末となっただけに、今日の結果はチームにとってとても重要なものだ。僕はいつも勝つためにレースをしているから、完全に満足とはいえないけれど、それでも2位になれて喜んでいる。このタイプのコースでは他のコースよりはトップ勢との差が小さく、正直言って、今日は予想していたよりもずっとトップ勢に近いところにいけた。スタートはうまくいき、最初のいくつかのコーナーを抜けた時点で4位に上がった。表彰台を争うには、スタートで順位を上げるのが大事だと分かっていた。最初のピットストップの後、右エキゾーストにトラブルが出始め、2回目のピットストップでチームは通常とは違う作業を行うことになった。それによって少しロスがあったけれど、ウエーバーに対してそこそこアドバンテージを築いていたので、状況をコントロールすることができた。今日はマシンは悪くはなかったが、優勝できるほどの速さはなかったね。
5 ロバート・クビカ(BMWザウバー) 決勝13位
スタートをうまく決めて、1周目は順調にいき、その後大きくポジションを上げられた。少なくともこれはポジティブな要素だね。でも残念ながら、レースを通して、ひどいアンダーステアが出てしまい、フロントタイヤの磨耗もひどかった。どのスティントでも最初の10周ぐらいでタイヤにひどいデグラデーションが起き、ペースがものすごく遅かった。
6 ニック・ハイドフェルド(BMWザウバー) 決勝11位
今日は15番グリッドからのスタートとなり、11位フィニッシュが僕にできる精いっぱいだった。スタートから最初の数メートルは順調で、すぐにいくつかポジションを上げられた。でもその後1周目の間に再び順位を落としてしまったんだ。最初に誰かに追突され、その後ターン11でワイドになってしまった。セバスチャン・ブエミを抜くのに時間がかかり、その後もトラフィックにつかまった。それで最初のピットストップを予定より2周ほど早めることに決めた。これはもちろん不利なことだけど、それでもトラフィックの中を走っていたので、有効な手段だった。燃料を多めに積んで走ったが、ペースは悪くなかった。自分たちの状況を全体的に考えれば、今週末はマシンが今までより速くなっていたと思う。その進歩をポイントにつなげることができずに残念だ。
7 フェルナンド・アロンソ(ルノー) 決勝リタイア
今日僕らは表彰台に上るチャンスを失った。いいスタートを決めて、ファーストスティントでマシンは速かったのに、1回目のピットストップで、右フロントホイール装着にトラブルがあった。ピットを出た時、ひどいバイブレーションがあって、パンクしたような感じがした。そしていくつかコーナーを過ぎた後、ホイールが脱落した。ピットインしたが、その後、2周目から出ていたフュエルポンプのトラブルが再発し、どんどん悪化していったので、リタイアせざるをえなかった。このチャンスを逃したのは悔しいが、レースではこういうことはあるものだし、明るい面を見るようにするよ。今週末、マシンはとてもコンペティティブだったんだからね。今は次のバレンシアでのレースのことを考えている。僕らは可能性を示すことができたので、バレンシアではそれをベースにしてさらに前進していけるといいね。
8 ネルソン・ピケ(ルノー) 決勝12位
とてもいいスタートをして、何台もオーバーテイクすることができたが、その後は常に誰かの後ろを走ることになり、それが僕のレースに影響した。それに戦略の点で少しツイていなかった。もしもっと前がクリアな状態で走れたなら、僕のレースはもっとずっとうまくいったんじゃないかな。今日のマシンはとてもよかった。今週末は新しいアップデートがとても役に立ってくれた。
9 ヤルノ・トゥルーリ(トヨタ) 決勝8位
昨日、僕はあきらめないと話した。今日の結果から分かるように、昨日言ったことを実行し、いくつか順位を上げ、ポイント圏内でフィニッシュできた。決勝の序盤では、クルマはとても力強く、良いペースで走ることができたが、渋滞につかまり、レース展開が少し難しくなった。その後、グリップ不足になり始めたが、ポイント圏内を目指し、果敢に攻め続けた。予選でトップ10入りを逃し残念だった。しかし、再びポイントを取れて満足だし、チームにとっても前向きな結果だ。バレンシアでのヨーロッパGPで上位を狙うことに、もう気持ちを切り替えている。
10 ティモ・グロック(トヨタ) 決勝6位
決勝を最初から最後まで楽しみ、13番手からスタートして6位でフィニッシュという結果にはとても満足している。今週、良い仕事をしてくれたチーム、特に本当に素晴らしい仕事をしてくれた僕のクルマのクルーに感謝したい。戦略は非常に有効で、クルマも快調だったので、今日は良いレースだった。重い燃料を積んだ最初のスティントでは、スタートで手間取ったが、適切なリズムを見出し、特に第2スティントで、タイムを挽回することができた。クルマはとても調子が良く、タイヤの挙動も安定してパフォーマンスが非常に良かった。今日は予想以上に良い結果となり、またポイントも獲得できて嬉しい。
11 ハイミ・アルグエルスアリ(トロロッソ) 決勝15位
完走できてすごく嬉しい。でも最後の5周は、体力的にものすごくきつかった。マシンを速く走らせ続けるのが大変だったけれど、とても満足しているよ。15位はそれほど悪くない。でも、一番の目標は、ミスせず、自分のペースを維持して70周を走りきることだった。たくさんのことを学んだが、F1には“これはきついな”と思うような面がいくつかあったことを認めなければならないね。
12 セバスチャン・ブエミ(トロロッソ) 決勝16位
このレースには本当にがっかりしている。たくさんのミスをしたので、自分のパフォーマンスに全く満足できていない。ハード側のタイヤでスタートするというのは正しい選択ではなかったと思う。スタートでいくつもポジションを落とし、トラフィックにつかまってしまった。本当にひどいレースだった。予選から分かるようにマシンはよかったのに、今日の僕はミスをしまくりだった。唯一ポジティブな点は、ニューパッケージになってマシンが確実に向上したということだ。
14 マーク・ウエーバー(レッドブル・レーシング) 決勝3位
金曜の走行からして、自分たちはもう少し速いかと思っていた。正直言って彼ら(マクラーレンとフェラーリ)がここにくるとは予想していなかったよ。今回は厳しい戦いになることは分かっており、前戦2戦の自分たちのアドバンテージを維持することはできないとは思っていた。だから、全体的に見て今日の結果には満足している。ピット戦略が少し違って、ミドルスティントで違うタイヤを選んでいたら、キミ(・ライコネン)ともっと戦えただろうと思うが、あれは自分の判断だからね。ミドルスティントの長さが心配で、どちらのタイヤをつければいいのか判断するのはとても難しかった。それでも、全体的に見て、ここからポジティブな要素をたくさん持ち帰れるよ。僕らはまだこの位置にいるのだし、僕らにはチャンスがある。まだレースはたくさん残っており、そこで競争力を発揮できると分かっているからね。レッドブルとルノーは誇りに思えるようなことをたくさん成し遂げた。僕らは今も強力であり、今日はポジティブな一日だった。
15 セバスチャン・ベッテル(レッドブル・レーシング) 決勝リタイア
キミ(・ライコネン)と1コーナーで接触した。僕はイン側にいてクリーンな走行で加速していくところだったが、彼のマシンが並びかけ、僕らは接触した。彼が僕のマシンに突っ込んできたんだ。時には起こりうることだけどね。そのために1回目のピットストップがうまくいかず、その後、左フロントサスペンションがダメになってリタイアせざるをえなかった。ここで他のチームとの戦いが接戦になることは分かっていたが、スタートではアクセルを踏み込んでいくことしかやれることはない。僕らのステアリングにも他のチームと似たようなボタンがあるけど、それは押しても何も起こらない。1コーナーへの進入で、周囲に他のマシンが3台か4台ではなく、5台か6台いると、状況は違ってしまう。今年はまだ少しレースが残っているし、レースはこれからも続いていく。自分たちに何ができるか見ていくよ。
16 ニコ・ロズベルグ(ウイリアムズ) 決勝4位
今日の結果にはとても満足している。とてもトリッキーなレースで、特にスタートではKERS搭載車を相手にしなければならず、大変だった。最初はラインを外れてチャンスを失ったけれど、1コーナーの大きな混乱に乗じて5位に順位を上げた。これが重要だった。レースが安定した後、タイヤに注意し、うまく扱わなければならなかった。ファーストスティントでもセカンドスティントでもグレイニングができたんだ。いろいろ考え合わせると、4位で満足しなきゃならないね。それに、フェリペが今日出場できなかったせいもあるが、僕はこれでランキング5位に浮上した。このチームと働くのは楽しいし、全員がものすごく頑張っている。この方向に進んでいければ、今後も改善し続けることができるだろう。
17 中嶋一貴(ウイリアムズ) 決勝9位
1周目にジェンソンを抜いたが、その後ポジションを維持できず、彼に再び抜き返された。これが僕のレースを決定づけた。この決定的な瞬間の後、マシンのペースはよかったにもかかわらず、トラフィックの中で走ることになったために、状況をよくするのがかなり難しくなった。これからもプッシュし続けなければならないが、近いうちに結果を出すことができるだろう。
20 エイドリアン・スーティル(フォース・インディア) 決勝リタイア
水温に問題があって、1周後にマックスまで上がりきってしまい、エンジンが熱を持ってしまった。グリッドに向かう途中に最初に疑いを持ったが、その後いくつかのコーナーを経た後、レースを続けるのは不可能なことがわかった。それでエンジンをセーブするためにリタイアせざるをえなかった。全体的に大変な週末だったけれど、大きなアップグレードが投入される次のバレンシアを楽しみにしている。
21 ジャンカルロ・フィジケラ(フォース・インディア) 決勝14位
とてもタフなレースだった。グリッドポジションがよくなかったし、序盤はグリップがなくて少し苦労した。でもセカンドスティントとサードスティントではマシンバランスがとてもよくて、バリチェロやクビカより速かったので、かなりプッシュできた。でもここではあいにくオーバーテイクが無理なので、14位で我慢するしかなかった。この後は次戦バレンシアGPを楽しみに待つよ。
22 ジェンソン・バトン(ブラウンGP) 決勝7位
今日はいい結果を出せると思って前向きな気持ちでいたが、残念なことに選手権へのチャレンジにおけるダメージリミテーションを目指すレースとなってしまった。決勝では燃料をたくさん積んでスタートした。僕らの計画は、いいスタートをし、前のマシンについていき、最初のピットストップを(前のマシンより)遅くするというものだった。最初の数周でリヤタイヤにひどいグレイニングができて、トップ集団についていくチャンスがなくなった。何が悪かったのか、今の時点では分からない。金曜はオプションタイヤでのペースはとてもよく、他のチームよりもリヤエンドをずっとうまくマネージすることができていたんだ。数戦前とはマシンのフィーリングが違ってしまっている。でもバレンシアの前に問題を特定するために頑張るよ。このレースには高い期待を持っていただけに残念だが、幸い2ポイントを持ち帰ることはできた。
23 ルーベンス・バリチェロ(ブラウンGP) 決勝10位
レース中に何度かいいアクションはできたのだが、スタートで僕のレースは台なしになってしまった。入賞する可能性は確実にあっただけに残念だ。2コーナーへの進入で他のマシンと接触し、後方にポジションを落とした。そこから順位を上げるのは難しいことだったが、速さは見せられたし、特にラストスティントでは前のマシンに近づくことができた。とても厳しい週末で、実際この週末のことは忘れてしまいたい。僕らのパフォーマンスに影響を与えているのが何なのか見つけ出すために、ハードワークにあたる必要があるね。
