世界ラリー選手権(WRC)に参戦するヒュンダイ・モータースポーツは、11月12日~15日に行われる最終戦ラリーGBで、ティエリー・ヌービルをサテライトチームからエントリーさせることを発表した。ワークスチームからはヘイデン・パッドンが参戦する。
ヒュンダイはWRC第11戦ツール・ド・コルス終了時点で、シトロエン・モータースポーツと1点差でマニュファクチャラーランキング2位のポジションを争っている。また、ヌービルはシリーズ後半に苦戦が続いており、ここ8戦中6戦でパッドンに総合順位で上回られていた。
ランキング2位獲得と、来季に向けヌービルに自信を取り戻させるべく、チームは月曜日にドライバー変更を決断。ヌービルがサテライトチームから、ダニ・ソルドとヘイデン・パッドンがワークスチームからエントリーすることとなった。
今回の決定に対しヌービルは「最終戦や2016年シーズンに向け、チームと何度も議論を重ねた結果、今回の決断に至ったんだ」とコメントしている。
「最終戦で20号車のi20をドライブすることで、僕はチャンピオンシップ争いのプレッシャーから解放される。だから、自分自身のドライビングに全力を注ぐことができるんだ」
「これは、来季に向けた自信を取り戻すためにも重要なことなんだよ」
「僕だけでなくチームにとっても正しい決断だ。また、僕たちが一体となって戦いに臨んでいるという証にもなるんじゃないかな」
ここ数戦は思うような結果が出ていないヌービルだが、2014年のラリーGBでは4位に入り、2013年の同大会では3位表彰台を獲得するなど、ラリーGBとは相性の良さを発揮している。一方、パッドンはWRカーを操りラリーGBに参戦したのは総合10位を獲得した2014年シーズンのみだ。
チームマネージャーのアライン・ペナスは「ティエリーとコドライバーのニコラス(・ギルソウル)とオープンな議論を重ねた結果、今回の決断に至った」と述べている。
「まず大事なのは、我々はシリーズ残り2戦を全力で戦い、マニュファクチャラーランキング2位の座を守らなければならないということだ」
「可能な限り多くのポイントを獲得するには、ドライバーがポテンシャルを最大限に発揮できる環境を整えなければならない」
「ティエリーと話をして、彼を選手権争いの重圧から解放し、自信を取り戻させる必要があると判断した。そうすることで、2016年シーズンに万全の状態で挑むことができると考えている」
「ラリーGBに挑むにあたり、今回の決断が1番正しいと信じている。過去にも同様のドライバー変更は行っており、いい結果を残している。今回も、チームだけでなくティエリーにもいい結果となると期待しているよ」
ヒュンダイは9月10日~13日に行われた第10戦ラリー・オーストラリアでも同様の措置を取っており、この際はダニ・ソルドがサテライトチームから参戦している。