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F1ニュース

投稿日: 2011.10.25 00:00
更新日: 2018.02.16 05:38

ピレリ「ブッダのラップタイムは1分27秒前後」


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2011 インドGP
F1チームとP Zeroコンパウンドにとって新たな戦いの場所
2011年10月24日、ミラノ

グランプリ概要:
建設されたばかりのブッダ・インターナショナル・サーキットは、すべてのチームとピレリにとって、新たな戦いの場となります。このサーキットは、まだ一度も使用されていないため、ピレリは、あらゆる事態に対応できるようタイヤ選択を決定しました。今シーズン最後の登場となるP Zeroシルバー・ハード・タイヤとP Zeroイエロー・ソフト・タイヤです。しかし、インドにおいては、通常とは逆に、ソフト・タイヤがプライムとして、ハード・タイヤがオプションとして供給される予定です。したがって、各チームは、金曜日のフリー走行(いずれのチームも初めて5.137kmのサーキットを走行する機会)において、ハード・タイヤより多くのソフト・タイヤを持つことができます。さらに、金曜日には追加のソフト・タイヤが1セット供給されます。これにより、各チームはフリー走行を最大限に活用し、ピレリは将来のための価値ある情報収集ができるでしょう。

予選と決勝の前にできるだけ多くのデータを収集することは、誰にとっても非常に重要なことです。しかし、サーキットは未使用のため、“グリーン”で滑りやすい状態であると思われます。まさに韓国GPのケースのように、ラバーが乗ってグリップが向上する、サーキット路面の良質化が週末を通じて見られそうです。舗装されたばかりのアスファルトからオイルが染み出し、タイヤの摩耗が始まり、路面がクリーニングされることによって、この効果はさらに強くなります。

時計回りのブッダ・サーキットのハイライトの一つは、ターン10と11です。トルコの有名なターン8の特徴と似ています。高速の長いコーナーで、大きな横荷重がタイヤにかかります。しかし、次第に緩くなっていくトルコのターン8と異なり、これらのコーナーは次第にタイトになっていきます。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクターのコメント ポール・ヘンベリー:
「私たちは、敢えてハード・タイヤとソフト・タイヤという保守的なタイヤ選択をしました。単純に、新しいサーキットであり、正確なレース時のコンディションが予測できないからです。しかし、私たちは、各チームがソフト・タイヤで多く走り込むことができるように、金曜日にソフト・コンパウンドを1セット追加供給することにしました。今回の措置は、特にソフト・タイヤが素晴らしい耐久性を示してくれれば、私たちにとっても来年の戦略を決定する上で助けになるでしょう。今週末のピットストップ回数を予想するのはまだ早すぎますが、両コンパウンドの間には大きなラップタイム差が存在するものと予想しています」

F1ドライバーのコメント ナレイン・カーティケヤン(ヒスパニア・レーシング・チーム):
「F1カレンダーの中でも、最もチャレンジングなサーキットのひとつになるね。新しいサーキットには、いつも未知の要素があるから、ピレリのタイヤ選択も理解できるよ。アスファルト路面は、他のサーキットと比べて非常にスムーズだね。それはプラス要素だと思う。ハード・タイヤとソフト・タイヤのラップタイム差は大きくなるだろう。もしかすると、2秒差くらいにまでなるかもしれない。どのチームもできるだけハード・タイヤを使わないようにするだろう。レースの最後に短いスティントで使うだけになるかもしれないね。路面はさほど粗くないし、路面温度も40度以下だろうから、ソフト・タイヤの寿命の短さよりもラップタイムのアドバンテージのほうが意味を持ってくるだろうからね。ピットレーンが長いことも戦略を考える上で大きな要素になるはずで、どのチームもピット回数はできるだけ減らしたいと考えるだろう。サーキットのレイアウト自体は、タイヤに非常に大きな負荷をかけるだろう。特に、長く、エイペックスが複数あって、バンク角のついた右コーナー、トルコのターン8に似たターン10はそうだね。ここでは、間違いなく左フロントタイヤに大きな負荷がかかることになる。それに、出口ではリアタイヤに厳しそうな低速コーナーもいくつかある。全体的に見れば、タイヤにとっては非常にチャレンジングなサーキットだし、どんな展開になるか興味深いよ。僕もとても楽しみにしているよ」

テクニカルノート:
・シミュレーションデータによれば、16のコーナーで構成されるブッダ・インターナショナル・サーキットのラップタイムは1分27秒前後になるものと想定される。平均速度は約210km/hで、最高速度はメインストレートで320km/h近くに達する。このストレートは、1km強の長さで、F1カレンダーの中でも最長となる。
・ブッダ・サーキットは、起伏が多く、タイヤにかかる縦方向の荷重を大きくしている。オーバーテイク機会を増やすため、コーナーの入口は幅広くレイアウトされている。1万3000人収容のグランドスタンドから見渡せるターン10と11は、主要なオーバーテイクポイントのひとつである。
・600m以上のピットレーンは、F1の中で最長の部類に入る。ピットストップにかかる時間が長いため、レース戦略に影響を及ぼすものと考えられる。レースは60周で争われ、スピードとコーナリングの妥協点を見出すため、ミディアム・ダウンフォースのセットアップが必要となる。天候は、気温30℃前後、ドライコンディションになるものと予想される。

インドでのピレリ:
・ピレリのインドにおける本拠地は、インドGPの開催地であるニューデリーに置かれています。ブッダ・サーキットからは30分の距離です。
・バンガロール生まれのインドのスーパーモデル、ラクシュミ・メノンは、2011年版のピレリ・カレンダーに出演しています。パリで撮影され、モスクワで発表されたものです。
・ピレリが世界的にリードする分野であるウルトラ・ハイ・パフォーマンス・タイヤの売上は、インドでも伸びています。インド自動車工業会によれば、インドにおける自動車の年間販売台数は2015年までに500万台に達し、2020年までには900万台を上回るものと予想されています。


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