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F1ニュース

投稿日: 2011.05.30 00:00
更新日: 2018.02.16 02:41

ピレリ「上位3人が勝利に値する素晴らしいバトル」


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ベッテル、三つ巴のバトルを制しモナコの栄冠を獲得

2011年5月29日、モナコ

モナコGPは残り15周でセバスチャン・ベッテル(レッドブル・レーシング)、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)、ジェンソン・バトン(マクラーレン)の3台が1秒以内にひしめきあう三つ巴のバトルとなり、タイヤ戦略がその中心となりました。上位の3台は、4位以下を1分近くも引き離すペースでのバトルを繰り広げました。

上位3人はそれぞれが異なるレース戦略を採ってきました。ベッテルはたった1度のピットストップのみで、PZeroレッド・スーパーソフトでスタートして16周目にPZeroイエロー・ソフトに履き替え、このソフト・タイヤを56周も保たせました。アロンソは2回ストップ作戦を選んでスーパーソフトでスタートし、その後は2セットのソフト・タイヤを使い、34周目に2回目のタイヤ交換を行ないました。一方でバトンは3回ストップで攻め続ける戦略を採りました。ピレリのスーパーソフト・タイヤのデビュー戦となったレースで、様々なレース戦略の幅があり、トップ3は最後まで緊迫したレースを展開しました。

最後の10周を迎えてもトップ3は非常に接近した優勝争いを続けていましたが、残り6周の時点で事故が発生しセーフティカーが導入された後にレースは赤旗中断となりました。レース中断の間にはマシン整備が認められており、最後のスプリントレースを前に各車はタイヤを交換しました。

ここでトップ3はみなピレリのPZeroレッド・スーパーソフトを選び、ベッテルがそのまま自身初のモナコ制覇を成し遂げました。ピレリにとって1957年のファン・マヌエル・ファンジオ(マセラティ)以来のモナコ優勝でもあります。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント:
「F1カレンダーの中で最も格調の高いモナコGPで、その歴史上でも最も激しい接戦のひとつが展開されたことを、誇らしく思っています。上位3人は完全に異なるタイヤ戦略を採用しましたが、最後はほとんど差のないフィニッシュとなりました。これこそ、我々が当初から目指してきたことです。このようにタイヤ戦略がレースの中核を担っていることを非常に嬉しく思います。上位3人の誰もが勝利に値するほどの素晴らしいバトルが展開されたのですから。レース終盤の赤旗中断がなくとも、彼らの優勝争いは最後の最後まで続いたものと思います。ポイントを獲得した小林可夢偉やスーティル、ブエミやバリチェロなど他のドライバーの走りも素晴らしいものでした。昨日はモナコの予選最速記録を樹立し、今日はPZeroイエローで50周以上を走行したドライバーもいました。ピレリは今季のF1タイヤにおいて性能と順応性の両方を実現しているのです」