フェラーリは、今週末のイギリスGPに、F60の改良版を持ち込み、ポイントリーダー、ジェンソン・バトンの母国ウインの望みを打ち砕こうとしている。
マクラーレン同様、昨年選手権争いに最後まで集中せざるをえなかったツケを今年払っているフェラーリだが、徐々に復調してきており、今や優勝を狙えるレベルにまできているように見える。
フェラーリはイギリスGPの前にフィオラノでストレートラインテストを行った結果、シルバーストンに改良版のパッケージを持ち込むことを決めた。
「月曜、フィオラノで、規則で認められた空力テストを行った」とフェラーリは発表している。テストドライバーのマルク・ジェネはル・マンに出場していたため、フェリペ・マッサがF60のステアリングを握り、新しいフロントウイングをはじめとするフロント部のパーツなど、新たな空力コンポーネントのテストを行った。
「今回の空力テストでは、マシンの重量配分をより前寄りにするため、F60を新しいフロントサスペンションジオメトリーで走らせた。したがってこのマシンは新たにフロントエンドのクラッシュテストを受け、無事にパスしている。このマシンには、予選で重要である、1周でタイヤを適温に温める能力が低いという弱点があったが、これを解消するためにフロントエンドのグリップを向上させることを狙い、新しいサスペンションジオメトリーを採用する」
フェラーリは、この新しいマシンをシルバーストンでマッサがドライブすることを認めた。
「シルバーストンではフェリペが新しいシャシー、No.277をドライブする。これは、キミがこの数戦使用してきたもの同様に、フェリペがこれまでドライブしてきたものより軽量化されている」
「マシンの重量配分を前寄りにできたことは、シルバーストンのようなコースでは有効であるはずだ。単純に、シルバーストンや前戦イスタンブールの特徴となっている高速コーナーでは、ウエイトを前寄りにするのが一番いいやり方だ。一方で低速コーナーではウエイトをリヤ寄りにするのがベストであるが。そのため、フェラーリはモナコで非常にコンペティティブであり、トルコのイスタンブールパークでも、セクター1、2とは違って、セクター3では非常に競争力があった。F60は、主にKERSの搭載によって重量配分が元々リヤ寄りとなっている」
「また、KERSに関しては、今週末には2台のマシンとも、新たな軽量化されたパッケージを搭載する。さらに、新たなホイールフランジを導入すると共に、ピットストップ時のタイヤ交換の際に有効な新たなマウントシステムを採用する。フェリペとキミのマシンにはこれらすべてのアップデートが採用され、フィオラノでのエアロテストによって集められたデータは、シルバーストン金曜午前の最初のプラクティスの前にマシンをセッティングするのに非常に役立つだろう」
