技術ウォッチャーの世良耕太氏が、2月19日にオンラインで発表されたフェラーリの新車をチェック。2015年型との比較から、ニューマシンの狙いを探る。

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 クラッシュテスト要件との絡みだろうか、フェラーリはフロントにプルロッド式のサスペンションを採用しているがゆえ、2015年シーズン中にショートノーズに切り換えることは不可能だったと伝わる。真偽のほどは定かではないが、2016年のSF16-Hはプッシュロッドへの切り換えとショートノーズ化をセットで実施した(写真1枚目)。

 2015年の旧車(写真2枚目)と対比させてみると、上下サスペンションアームのレイアウトは大きく変わっていないものの、プルからプッシュへの切り換えにともなってロッドの角度が大きく変わっているのがわかる。また、先端の突起は邪魔だが、ショートノーズ化にともなってノーズ下に相応の空気の通り道が確保できていることが確認できる。

 新旧の車両を俯瞰してみよう(写真3枚目と4枚目)。ノーズが極端に短くなっているのが、よくわかる。それより目を引くのが、エンジンカウルの絞り込みだ。パワーユニットや冷却系の性能改善およびパッケージング面で、相当の進化があったことを窺わせる。フロア後端に向けた空気の流れが良くなっているように見える。狙いどおりなら、ディフューザーの機能が高まってダウンフォースが増大するはずだ。

 スタジオ撮影写真をよく見ると、メインのテールパイプの下部脇に、ウェイストゲート専用の小さなパイプを確認することができる。おそらくメインのパイプを挟んで左右対称に2本レイアウトしているのだろう。先に動画で公開したメルセデスAMG W07と同様のソリューションだ。

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