2008年シンガポールGPの不正疑惑問題によってフラビオ・ブリアトーレとパット・シモンズがルノーF1チームを離脱することになったが、この問題を明るみに出したネルソン・ピケJr自身もF1での将来を失ったと、マーティン・ブランドルは言う。
ルノーF1チームは、16日、声明を発表、昨年のシンガポールGPに関してFIAが行う申し立てに対して異議を唱えないこと、マネージングディレクターのブリアトーレとエグゼクティブディレクターオブエンジニアリングのシモンズがすでにチームを去ったことを明らかにした。
9月21日にこの件に関するFIA世界モータースポーツ評議会のヒアリングが行われることになっており、そこでルノーに厳罰が下され、チームはF1から去らざるをえなくなるか、あるいは自らF1を去ることを選択するかもしれない。
こういう事態はF1にとって不利益なものであるとして、ブランドルは、ピケと父親でマネージャーのネルソン・ピケSrを非難した。
「モンツァの週末はルノーの話でもちきりだった」と現在BBCでF1のコメンテーターを務めるブランドルは言う。
「情報がリークされたことで、F1はすでにダメージを負ってしまった。悲しいことだ」
「ピケ親子には失望した。パドックにいる我々多くがそうであるように、彼らは、F1という奥深く、神聖で、特権的な世界に属することで途方もない利益を得てきた。あの青年がキャリアのチャンスに恵まれ、資金調達ができたのは、F1の世界にいたからに他ならない。まず故意にクラッシュし――そう彼は主張している――、その後、このように核爆弾をパドックに落とすなど、控えめに言っても、素晴らしいこととは言えない」
「彼らは腹立ちまぎれに自分たちの損になる行動をしてしまった。なぜなら、もうF1ではネルソン・ピケJrを雇う者などいないのは確実だからね。このような問題とかかわりたいと思うようなチームやスポンサーがいるわけがない。彼らは怒りに我を忘れてしまった。だがF1はこの件を乗り越えて、今後も続いていくだろう」