ヘレスは2日間雨が続いた後に、ようやく太陽が顔を出し、F1合同テスト3日目はドライコンディションの下で行われた。レッドブル・レーシングのマーク・ウエーバーがトップタイムをマーク。BMWザウバーからは小林可夢偉が登場、可夢偉はトラブルのためわずか28周しか走れず、タイムは11人中8位にとどまった。
朝のうちはコースは湿っていたものの、11時ごろにはドライタイヤで走行できる状態までコースが乾き、チームはようやく本格的な作業に取り掛かることができた。
ウエーバーはメカニカルトラブルのために午後の走行を2時間ほどロスしたものの、115周を走りこみ、1分19秒299でこの日走行した11人中トップに立った。このタイムは先週のヘレステストをあわせてのトップタイムとなっている。
約コンマ8秒遅れの2番手にフェラーリのフェルナンド・アロンソが続いた。フェリペ・マッサからマシンを引き継いだアロンソは、セッティングや、さまざまなレースシミュレーションにおいてのマシンやタイヤの比較を行い、132周を走破した。
マクラーレンのジェンソン・バトンはセッション前半にはトップに立っていたものの、最終的な順位は3番手に。バトンはメカニカルセッティングに取り組み、作業の進行状況に満足感を表している。
4番手にはウイリアムズのニコ・ヒュルケンベルグが続いた。この日最多の138周を走りこんだヒュルケンベルグだが、セッション終盤にハイドロリックトラブルのためにマシンをとめている。チームは、トラブルの発生したパーツはかなり使いこんだものだったと説明している。
メルセデスGPのミハエル・シューマッハーは、ヒュルケンベルグからわずか0.005秒差の5番手。シューマッハーはセッティング作業、ロングランでのマシン変更の評価などに取り組み、ヘレスでの走行を終えた。
6番手はルノーのロバート・クビカ。ルノーはセッティング作業でいい方向性を見出したといい、タイヤ比較や燃料を大量に積んだ状態でのスタート練習なども行っている。
フォース・インディアはこの日はエイドリアン・スーティルひとりが走行、7番手タイムをマークした。スーティルは午前中にはショートラン、午後にはロングランを行い、タイヤテストに取り組んでいる。
BMWザウバーの可夢偉は、C29にフュエルシステムのトラブルが発生、せっかくのドライコンディションで28周しか走行できず、8番手にとどまった。しかし翌20日もドライの見込みであり、最終日にプログラムの遅れを取り戻すことを目指す。
9番手はトロロッソのハイミ・アルグエルスアリ。アルグエルスアリはドライ時に1種類のタイヤで走行し、ブレーキシステムや空力コンポーネンツの評価にあたり、トラブルなく走行を終えている。
ヴァージン・レーシングのルーカス・ディ・グラッシが10番手。マシンには早い段階でハイドロリックトラブルが発生、多くの時間をロスし、周回数は34周にとどまったものの、ロータスとの新チーム対決をわずかの差で制している。
最下位12番手はロータス・レーシングのヘイキ・コバライネン。ようやくドライでの走行が可能となったロータスは、午前中にはクラッチセンサーのトラブルが発生したものの、午後にはロングランとタイヤ比較のテストに取り組んでいる。