F1第9戦ドイツGPは、現地時間7日14時(日本時間21時)より決勝レースが行われ、レッドブルのセバスチャン・ベッテルが母国GP初勝利を果たした。
今年のドイツGPの舞台となったニュルブルクリンクは、週末を通して全セッションともドライコンディションで推移。なかでも決勝日は一番の快晴に恵まれ、レース開始時刻(14時)の気温は24度、路面温度は42度を記録した。
前日の予選ではメルセデスのルイス・ハミルトンにポールポジションを譲ったベッテルだったが、レースでは僚友のマーク・ウエーバーとともに好スタートを決めて1コーナーでハミルトンをパス。2番手にウエーバーを従えるとファステストラップを更新しながらハミルトンを引き離していった。
先頭のベッテルは、各マシンが1度目のピットストップを終えた後も再びトップでレースに復帰。その後方には、第1スティントを引っ張って順位を上げたロメイン・グロージャンが続いた。ミディアムタイヤでスタートした3番手のジェンソン・バトンに蓋をされる形となった後続に対し、ベッテルとグロージャンはハイペースで周回を重ね、後続を10秒以上も引き離す走りを見せた。
そのなか、24周目にマルシャのジュール・ビアンキが白煙をあげてストップ。撤去のためセーフティカーが導入されると、各マシンとも再びタイヤ交換を行うが、上位勢の順位に変化はなく、ベッテルはトップをキープする。2番手にグロージャン、そして3番手にはセーフティカー前にタイヤ交換へと向かったバトンに代わってライコネンが続いていく展開となる。
30周目に再スタートを迎えると、その後もベッテルはグロージャンとライコネンを従えながらも首位を譲らず、最後のピットストップの後も実質のトップに立ち続ける。
レース終盤の50周目には、暫定トップのライコネンと4番手フェルナンド・アロンソがソフトタイヤへ交換。2台ともハイペースで周回を重ね、ライコネンはグロージャンをパスしてベッテルの背後につけた。
しかし、ベッテルも最後まで譲らず、DRS圏内に追いつかれた最終周も抑えきってそのままトップでチェッカー。通算30勝目の節目に初の母国GP制覇を成し遂げ、3日に26歳の誕生日を迎えたばかりの自身に最高のプレゼントを贈った。2位には猛攻を見せるも届かなかったライコネン、グロージャンもアロンソの攻撃を凌いで3位表彰台を獲得した。
4位アロンソは、ミディアムタイヤでスタートしたもののペースが上がらず、ソフトタイヤ勢とほとんど変わらないタイミングで1度目のタイヤ交換を行うなど苦戦。ただ、セーフティカーで上位勢との差が帳消しとなったことで勝負権を取り戻し、最後まで表彰台を争う走りを見せた。僚友のフェリペ・マッサは、スタート直後の4周目に不可解なスピンを喫すると、そのままレースを終えた。
また、1度目のタイヤ交換の際に右リヤタイヤの装着が不十分だったため発進直後に脱輪し、大きく後退したウエーバーは、セーフティカーの導入でラップバックを果たすと、その後はコース上で追い上げを見せ、最終的には7位でレースを終えている。