2011年F1第2戦マレーシアGPの決勝レースが現地時間10日16時(日本時間17時)からマレーシアの首都クアラルンプールにあるセパン・インターナショナル・サーキットで行われ、レッドブルのセバスチャン・ベッテルが2戦連続のポール・トゥ・ウインを決めた。10番手スタートの小林可夢偉(ザウバー)は8位入賞を果たしている。

 夕暮れを前にしたセパン上空はどんよりとした厚い曇に覆われ、サーキット周辺は一面灰色の空が広がった。気温は28度、路面温度31度、湿度は83%で路面はドライ。グリッド上は予選Q3を戦った上位10台がオプションのソフトタイヤを装着し、11番手スタートのミハエル・シューマッハー(メルセデスGP)も新品のオプションを選択するなど、多くがソフトタイヤを選んでいる。

 現地時間の午後4時ちょうどに全車がフォーメーションを開始し、レースは予定通りスタート。ポールポジションのベッテルは危なげないスタートでトップを守る。後続では3、4列目から鋭い発進を見せたルノーの2台が2番手スタートのルイス・ハミルトンに襲いかかり、ニック・ハイドフェルドが2番手を奪取。3番手ハミルトン、4番手ジェンソン・バトンと続き、ビタリー・ペトロフも5番手にポジションをアップした。

 一方、2番手スタートのマーク・ウエーバーはスタートでKERSが働かず9番手に順位を下げ、10番手を守った小林可夢偉の猛プッシュを受ける。その後、可夢偉とウエーバーは序盤の数周でDRSを使用しての抜きつ抜かれつの激しいバトルを展開する。

 10周目、可夢偉の後ろ10番手を走っていたウエーバーが最初にピットインを行い、再びソフトタイヤを装着する。この頃になるとトップ走行のベッテルもタイヤのグリップダウンが始まり若干ペースがダウン。その間、3番手ハミルトンが12周目にピットイン。翌周にはベッテル、2番手ハイドフェルド、4番手バトン、5番手フェリペ・マッサが1回目のピットストップでタイヤをソフトタイヤに交換。6番手アロンソは14周目、可夢偉は3番手まで順位を上げた17周目まで最初のピットストップを引っ張り、2回ストップの戦略に出た。

 18周目、全車が1回目のピットストップを終えると順位はベッテル、ハミルトン、アロンソ、バトン、ハイドフェルド、ウエーバー、マッサで可夢偉は11番手となる。

 レース22周目、6番手のウエーバーが早くも2回目のピットストップを迎えると、23周目にバトン、24周目にハミルトン、25周目にベッテルと他の上位陣も相次いでピットに向かう。この時、ハミルトンだけがプライムのハードタイヤを選択した。

 中盤、先頭のベッテルにもKERSが使えないとの指示がなされ、2番手ハミルトンとの差も5秒を切るが、ベッテルは冷静にマシンをコントロールしてそれ以上の接近を許さない。その後35周目前後から上位勢が3回目のピットストップを始め多くがハードタイヤに交換。2ストップ作戦の可夢偉も36周目に最後のピットストップを終え、トップのベッテルも41周目にハードタイヤでコースに復帰していった。

 終盤を前に首位はベッテル。ハミルトンはピットストップでタイヤ交換に手間取り2番手の座をバトンに明け渡してしまっている。そして4番手には、上位勢と同等のラップタイムを並べるアロンソが続き、スタートで出遅れたウエーバーにハイドフェルドが続く展開となる。

 レース終盤、依然としてベッテルがレースをリードするが、ここからは後に続く上位勢のポジションが大きく動く。まずはタイヤマネジメントに苦しむウエーバーが4回目となるピットストップで後退。3番手のハミルトンに迫ったアロンソがオーバーテイク直前にハミルトンのリヤに接触してフロントウイングを破損、アロンソもピットインを余儀なくされた。

 さらに、アロンソの接触を受けペースの落ちたハミルトンもハイドフェルドにDRSを使われあっさりと3番手のポジションを失った。これで上位はベッテル、バトン、ハイドフェルドがトップ3となり、何らかのトラブルを抱えた様子のハミルトンはピットイン。結果4番手以下はウエーバー、マッサ、アロンソ、ハミルトン、ペトロフとなり可夢偉は9番手となった。

 ベッテルはそのままチェッカーを受け、2戦連続のポール・トゥ・ウインを達成。通算12勝目を挙げた。2位はバトン、3位はウエーバーの追い上げを振り切ったハイドフェルドが入り、表彰台は再びレッドブルとマクラーレン、そしてルノーが占めるかたちとなった。

 可夢偉は見事2回ストップ作戦を成功。レース中も終始シューマッハーやペトロフらと見応えあるバトルを展開し、華麗なオーバーテイクも披露。最後、ペトロフがコースオフした際の着地でステアリングを破損するトラブルでストップしたため、ひとつポジションを上げて8位でフィニッシュした。

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