マクラーレンのチーム代表、マーティン・ウィットマーシュは、F1開幕戦オーストラリアGPでレースを制圧したレッドブルRB7とレッドブル・レーシングに対して、「安心するのはまだ早い」と警告している。
レッドブルのエース、セバスチャン・ベッテルは予選ではマクラーレンのルイス・ハミルトンに対して1秒近い差をつけ、アルバートパークでの週末を通して圧倒的なペースをみせつける勝利を飾った。そんなベッテルの勝利にも関わらず、ウィットマーシュは、この10日間でマクラーレンが劇的な進歩を遂げ、シーズンを楽観的に見ているという。
「我々は表彰台に2台とも上がらなければならなかった。ルイスはセバスチャンほどの速さは無かったが、ルイスのマシンのフロアに損傷がなければ、あそこまで離されることはなかったはずだ」とウィットマーシュ。
「ルイスのタイヤの消耗具合はフェラーリやレッドブルなど、上位のマシンに対してずっと良かった。1ストップを敢行した(セルジオ)ペレスを除いてね。彼の1ストップ作戦が実行可能かどうかは分からないが、セパンのようにタイヤの消耗が激しそうなレースに向けて励みにはなった。多くが3ストップを強いられる中で我々が2ストップを成功させれば、それは素晴らしいアドバンテージになるからね」
マクラーレンは絶不調に終わったバルセロナテストの後、レッドブルに追随した特徴的な“オクトパス・エキゾースト”レイアウトを捨て、その決断が奏功したという。そしてウィットマーシュによれば、その“エリア”が今後のマシン開発に向けて大きな可能性を秘めているという。
「この改良によって、我々は大きな進歩を遂げた。そしてさらに、我々はマレーシアに着く頃には、この部分でさらに改善することができるだろう。もちろんセバスチャンは素晴らしい仕事をしたし、エイドリアン(ニューウェイ)もいるからには、我々も努力はしなければいけない」
「目的はチャンピオンシップなんだ。オーストラリアの時点ではフェラーリもメルセデスGPもペースは良くなかった。でも、この2チームは大きなチームだし、知識と経験を持っている。特にフェラーリは去年の回復ぶりを目の当たりにしているしね。でも、冬のテストを考えれば、今回のレースは本当に勇気づけられる結果になった」
ウィットマーシュはまた、レッドブルがKERSをオーストラリアの週末、予選と決勝で使用していなかったことについて尋ねられると、「我々がオーストラリアまでの10日間と同様のプッシュをして、その分前進することができたら、追いつくこともできるかもしれない」と語る。
「レッドブルはまだポテンシャルを出し切っていないのかもしれないが、我々にもステップを踏み出す余地がある。レッドブルはもっとプッシュするべきだよ。そうでなければ戦うに値しないからね。まぁもちろん、レッドブルもプッシュしてくるだろう。彼らは良いチームだからね」