マクラーレンは16日、ロン・デニスがマクラーレン・グループCEOのポジションに復帰し、F1チームを権限下に置くことを発表した。デニスはマクラーレンチームを復活させるため、体制変更を行うと述べている。
デニスはマクラーレンのF1チーム代表を1982年から2009年まで務め、数々の成功を収めた。その後、F1活動には関与していなかったデニスだが、2013年のチームの大不振に直面し、自身がチームの立て直しを行うことを望むようになったといわれている。
グループCEO就任にあたり、デニスはマクラーレン本拠で従業員に対してスピーチを行ったが、その場に現チームプリンシパルであるマーティン・ウィットマーシュはいなかったという。
BBCの報道によると、デニスとウィットマーシュはこの2年間、関係が悪化しており、デニスは何度もウィットマーシュを更迭しようと試みたという。しかしデニスと他の役員との関係がよくなかったために、実行に移せずにいたということだ。
デニスはマクラーレンのF1活動に関する責任を担うことになったものの、毎戦ピットウォールで過ごす、チームプリンシパルのポジションに戻ることは望んでいないという。
昨年12月、デニスはロス・ブラウンと交渉したことを認めている。ブラウンは昨年末でメルセデスF1チーム代表の座から退き、半年は休暇をとることを明らかにした。
16日にチームから発表された声明では、ウィットマーシュの今後については言及されていないが、デニスは2月に体制を変更すると明言しており、ウィットマーシュがチーム代表の座を失う可能性があると考えられている。
ウィットマーシュは、ホンダと組む2015年に向けて、勝てるドライバーとしてフェルナンド・アロンソの獲得を望み、フェラーリとの契約下にある彼を説得しようとしてきた。しかし、デニスのF1復帰によって、アロンソがマクラーレンに戻る可能性は非常に低くなりそうだ。
2007年にマクラーレンに所属したアロンソと当時チーム代表だったデニスとの関係が悪かったことはよく知られており、それによってアロンソは複数年契約を切り上げてわずか1年でマクラーレンを離脱した。
昨年12月にアロンソのマクラーレン復帰に反対するかとの質問に対してデニスは、勝つためならあらゆることを試みると答え、アロンソ獲得の可能性を否定しなかった。しかしアロンソ本人はデニスに対するわだかまりが残っていると述べている。