F1に参戦する5つのマニュファクチャラーが、モナコGPの後に協定を結んだが、これがカルテル行為である可能性があるとFIAは考えている。その場合は多額の罰金とチーム代表者の懲役という厳罰が下る可能性がある。
2010年F1エントリーリストの発表が6月12日に迫る中、8日月曜にFIA会長マックス・モズレーは、全チームに書状を送り、条件なしのエントリーを提出し、エントリーリストが決定した後に今後の規則について交渉を進めようと呼びかけた。
チームはモナコでFIAと会合を行った後に、協定を結んだようだ。5つのマニュファクチャラーは、FOTAの結束を強めるため、FOTAの方針から外れて来季F1に無条件のエントリーを申請したチームは、他のチームに5,000万ユーロを支払うという協定を結んだといわれている。この行為が違法である疑いが出ている。現在FOTAのメンバーである非マニュファクチャラーの3チームはこの協定にかかわっていない。
この協定には元々終了日は設けられていなかったものの、その後改正され、30日限定のものとされたという。しかし30日間の間には、エントリー締切の5月29日が含まれていた。
FOTA副会長であり、TMG社長のジョン・ハウエットは、“罰金”の取り決めがあったかどうかは言及していないものの、協定が存在することは認めている。彼は、各チームの弁護士の詳細なチェックを受けており、FOTAとしては法的に問題ないと確信したと、主張している。さらに、FIAが入手した契約書は、実際に署名されたバージョンとは異なるものだろうとも、彼は指摘している。
しかしFIAは、英国法において、この協定(BMWの弁護士が起草したといわれている)は2002年のエンタープライズ法においてカルテル行為とみなされる可能性があるという考えを持っている。そうであれば、重大不正監視局あるいは公正取引局がアクションを起こすことになるかもしれない。また、この協定はEU競争法に抵触する可能性もある。
FIAはこの協定のコピーを入手し、専門家から、この行為がカルテルにあたる可能性があるとの法的アドバイスを受けている。
一方、フェラーリは数年前にFIAと独自の協定を結んでおり、これに従ってFIAは、金曜に発表するエントリーリストにフェラーリを載せる意向であると見られている。そうなると、FOTAは彼らの協定に則って、フェラーリに5,000万ユーロの罰金を科すことになるだろう。フェラーリはFIAとFOMの両者から訴えられることになれば、莫大な金を失うことになるだろうと、FIAのある情報筋がほのめかしている。
