有名なR&D会社であるワース・リサーチがマノー・グランプリと契約し、同チーム初のF1マシンのデザインおよび製造を行うことが正式に発表された。
2010年F1エントリーが発表され、新規チームとして、プロドライブやローラではなくマノーが承認されたことは驚きを持って受け止められたが、ワースとFIA会長マックス・モズレーとのかかわりがものを言ったのかもしれない。
ワース・リサーチのテクニカルディレクター、ニック・ワースは、1989年、モズレーと共にエンジニアリング・コンサルタント会社、シムテックを設立した。同社は当初、F1において風洞の建設やシャシー製造のサービスを手がけていたが、1994年にはチームとしてF1に参戦した。
シムテック・グランプリはわずか20戦の参戦の後、財政上の問題により撤退した。その間、1994年のサンマリノGPではロランド・ラッツェンバーガーがフロントウイングのトラブルのために事故死している。
しかしワースはF1で高い評価を確立し、1996年から1999年にはベネトンのチーフデザイナーを務めている。それから約10年後、彼はマノー・グランプリと共にF1の世界に戻ってくることになった。ワース・リサーチはマノーと長期契約を締結、マノーのマシンのデザイン、開発、供給を独占的に行い、プロジェクトに対する幅広い技術サポートを提供することになった。このサービスはワース・リサーチとWRテクノロジーLtdが提供し、その姉妹会社であるデジタル・フロー・ソリューションが、コンピュータによる空力開発を専門的に扱う。
「つい最近まで、親友や家族でさえも、私がF1マシンのデザインを再び行うことに関心はないものと確信していただろう」とワースはコメントしている。
「費用制約導入の素晴らしい可能性が出現し、デザインにおける創意とリソースの効率が新たに重視されることによってはじめて、F1はワース・リサーチにとって実行可能かつ魅力的な新しいチャレンジとなった。我々は、過去の我々のマシンと同様、あらゆるコンポーネントにレースに勝つ力を与えるつもりである」