オーストリアGPでショートノーズを投入したマクラーレンは、ノーズに合わせて、フロアとディフューザーも新しいものを持ち込んでいた。

 フロアはリヤタイヤ前の切り込みを、これまでは小さく1カ所だけに施していたのに対して、新型では2本の大きなL字型(写真:赤い矢印)と2本のI型(写真:青い矢印)、合計4本の切り込みを入れている。この部分の切り込みはリヤタイヤ周辺で発生している乱流を吹き飛ばして、結果的に空気抵抗を軽減する狙いがあるものと考えられる。

 ディフューザーは上縁に1枚だけ装着されていたカラーが、もう1枚追加された。合計2枚のカラーが装着され、フロアの上を流れる空気を高速でカラーの隙間から排出することでディフューザー効果を高めている。

 フロントからリヤまでマシン全体の空力パッケージを大きく変更したフェルナンド・アロンソのマシンが、いかにパフォーマンスアップしていたかはフリー走行1回目に間に合わず、フリー走行2回目から走り始めたにもかかわらず、いきなりジェンソン・バトンのタイムをコンマ4秒上回ったことからも窺える。

 しかし、レースでは残念ながら1周目に事故に巻き込まれてリタイア。オーストリアGP後のテストで走行を重ねた、新空力パッケージの真の評価はイギリスGPを待ちたい。

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