オーストラリアGPの公式予選で圧倒的なスピードを見せたレッドブルのマシンに、“スタート専用”の小型KERSが搭載されているとウワサされている。
The F1 Timesによれば、現地アルバートパークのパドックでは、予選後のマーク・ウエーバーとセバスチャン・ベッテルのコメントがそのウワサにさらなる信憑性を与えているという。
「今日はそれを使って走らなかった。理由についてはチーム内に留めておくよ」とウエーバーはコメント。
セバスチャン・ベッテルも、「予選では使用しなかった」と述べており、理由については「完全に充電されていなかった」と語っている。
1周あたりコンマ3秒から4秒のアドバンテージを得られるこのシステムをなぜレッドブルは利用しないのか?
KERSを搭載しない利点として考えられるひとつは重量配分だ。KERSユニットはバッテリーを含めておよそ25kgの重量があるとされ、システムが作動していない時はマシンにとって大きな負荷となってしまう。
これに目をつけたレッドブルは、より小型のシステムにすることでバッテリー自体を小さくし、重量の軽減を図ったと考えられているが、一方で完全充電される通常のシステムに比べれば、この小型のものは周回によって圧倒的にスピードで劣ることも考えられる。
そのためレッドブルは、確実にアドバンテージを得られるレーススタート時にシステムを作動させることを選択した可能性がある。KERSはスタート時におよそ7〜8mのアドバンテージをドライバーに与えることができるとされている。