レッドブル代表のクリスチャン・ホーナーは、チームオーダーを無視したセバスチャン・ベッテルの行動は決して偶発的なものではないと考えている。
F1マレーシアGPのレース終盤、2番手を走行していたベッテルは、チームからポジションキープの指示を受けていたにもかかわらず、首位を走っていたチームメイトのマーク・ウエーバーにバトルを仕掛け、オーバーテイクの末に今季初優勝を奪い取った。
彼はレース後に、自分が「間違いを冒した」と述べ、ウエーバーとチームへの謝罪を口にしたが、故意ではなかったと否定。これについてチーム代表のホーナーは、ベッテル自身がそこまでの確信に至っていないと語っている。
ホーナーは、なぜベッテルに再度ポジションをウエーバーに明け渡すよう指示しなかったのかを問われると、次のように答えた。
「我々が彼にスローダウンを命じてポジションを戻すように伝えたところで、彼が実際にそうしたと? そんなことは無意味だよ」
「彼は行動に移したことで、自分の意志を明確にしたんだ。コミニュケーションを彼は理解していたし、コミニュケーションできていた。ただ彼はそれに従わないことに決めたんだ」
「彼は、チームが置かれた状況よりも自身の利益を考えた。1位と2位で8ポイント違うことに集中したんだ。彼はそれが間違っていたと受け入れた」
ホーナーは、最後のピットストップの後で、ふたりにポジションをキープするよう指示したことを認めたが、この決定はタイヤのデグラデーションのリスクを避けるために正しい判断だったと説明している。
「マシンが特に接近して走ればタイヤを壊してしまう。タイヤにマージンがあったことは分かっていたので、タイヤを使い果たすような不必要なリスクを冒すことはしたくなかった」
「チームとしては、最後のピットストップからレースのフィニッシュまでをコントロールしたいんだ」
「明らかにセバスチャンは自分が8ポイント余分に手にすることを選んだ。彼はそれでチームとマークに謝罪した。それだけだ」
最後にホーナーは、この問題を含めたレースの報告のために議論を始めたことを明らかにした。
「我々は両方のドライバーと話し、私も両方のドライバーと話をした。それにセバスチャンもマークとチームの両方に謝罪したよ」