ピレリとレッドブル・レーシングは、アブダビGPでのセバスチャン・ベッテルのタイヤパンクの原因は解明できないと述べた。
ポールポジションから順調なスタートを切ったベッテルだが、オープニングラップでタイヤがパンクし、2コーナーでコースアウトを喫した。パンクの原因をピレリとレッドブルの両者が調査したものの、明らかな原因が見つからなかったという。ピレリのモータースポーツディレクター、ポール・ヘンベリーは、調査の結果、ピレリタイヤの構造上の欠陥によるものではなかったことは明らかにしている。
「多数のことが考えられる。これは原因を確実に見つけることができないケースだ」とヘンベリー。
「調査はこれ以上は行わない。何かによってタイヤの空気が抜けた。その原因を知ることはできないだろう」
「我々はレッドブルと共に調査を行い、両者ともにこういう結論に至った。何かがタイヤに大きな穴を開けたという以外、タイヤには何のトラブルの形跡もない」
レッドブル・レーシングのチームプリンシパル、クリスチャン・ホーナーも、パンクの明確な原因は分からないだろうと述べている。
「ピレリの全面的な協力の下で答えを見つけるため調査を行った。だが残念ながら、いろいろなことが考えられ、確実な答えに行き着くのはほぼ不可能だ」
「データを見ると、スタート前にタイヤに何か問題があったという事実はない。だが彼がターン1出口の縁石に乗った時、突然タイヤの空気が抜けた。一番可能性が高いのは、外部の何かがタイヤに刺さったということだが、真実を知ることはできないだろう」
ホーナーは、エキゾーストガスがタイヤに吹き付けられることでオーバーヒートしたという説は否定している。
また、グリッド上のジェンソン・バトンのオンボードカメラを見ると、スタート時にベッテルの右リヤタイヤからスモークが上がっているように見えるが、それはラバーではなく、ボディワークが燃えていたのだと、ホーナーは説明した。
「擦り切れたボディワークが燃えた。スタート後、それがタイヤからスモークが上がっているように見えた」
「セバスチャンのスタート手順はマークと同じであり、今シーズンずっと行ってきたものと同じだった。設定も以前と同じで、突然トラブルに見舞われる理由はない」
