レッドブルのドライバーは、RB7が唯一弱点として抱えるKERSに対し、チームが現時点で有効な対策を見出していないことに危機感をもっているようだ。
レッドブルは開幕2戦でセバスチャン・ベッテルが連勝を飾ったものの、ベッテルとチームメイトのマーク・ウエーバーはKERSの不具合に苦しめられており、マレーシアGPではシステムが完全に機能することはなかった。
一週間後に迫った中国GPはKERSがラップタイムに大きな影響を与えるもうひとつのイベントであり、レッドブルのチーフテクニカルオフィサーを務めるエイドリアン・ニューエイもこうした事態に懸念を示している。
「システムはいまだ初期段階にあるというのが現状だ」とニューエイは語っている。「我々はメーカーチームではないので、私たち自身の手でKERSを開発していかなければならず、過去にそうした分野の専門知識も持ち合わせていない」
ニューエイは、問題解決にまだある程度の時間がかかるのかとの問いに対し、「我々が今も新たな問題に直面しているという事実は、それが間違いでないということだ」とコメントしている。
レッドブルがKERSに苦しんでいる原因のいくつかは、ニューエイがRB7でとった攻撃的なマシンパッケージに関連づけられているという。だがニューエイは、チームがそうした考えをもっていないと主張している。
「私はそうは思っていない。我々の抱える問題がすべてパッケージによるものであれば答えとしてはいいだろうが、そうではないよ」
マレーシアGPでウエーバーは、スタートから全くKERSが使用できず、ベッテルもレース後半はシステムを使用しないようチームから無線で指示されている。
「マーク(・ウエーバー)はスタートを含めそれ以降のレースで全く使用できなかった。スタートでのトラブルはこれまでに経験がなく、新しい問題だ。セブはKERSを使用したまま走らせ続けることもできたが、リスクを最少に留めるという安全の結果、システムをオフにさせた」