バーレーンでのF1合同テストを終えたロータスが、今年のマシンに採用した“2本牙”のノーズにアドバンテージがあることを確認できたと述べた。
ロータスはE22に他とは異なる“2本牙”ノーズのデザインを使用している。ヘレスでの1回目のテストを欠席したロータスは、先週のバーレーン合同テストでE22を正式にデビューさせたが、4日間のテストで得た空力データに期待できる結果が見られたと、テクニカルディレクターのニック・チェスターは述べた。
「マシンから得た空力データから見て、いい性能を発揮しているようだ」とチェスターは2本牙デザインについて述べている。
「スタンダードなローノーズと比べてどれだけいいか、データを示すつもりはないが、大きなメリットが得られたと考えているし、そのために我々はこのデザインを選んだ」
チェスターは、同じデザインを他のどのチームも選ばなかったことに驚いている。
トロロッソのテクニカルディレクター、ジェイムズ・キーも、ロータスから移籍し現在フェラーリでテクニカルディレクターを務めるジェイムズ・アリソンも、このコンセプトには気づいていた。
他のどのチームもロータスと同じデザインを採用しなかったことに驚いたかと聞かれたチェスターは「ある意味驚いている」と答えた。
「幸運にもかなり早い段階で(このアイデアの)存在を知っていたチームがあるのは分かっている。ひとつかふたつのチームはこのデザインを試し、開発しているものと考えていた」
「ノーズが非常に難しいのは、構造的な開発とクラッシュテストの面だ」
「スタンダードノーズとは構造が異なっており、クラッシュテストにパスし、我々が満足いくレベルまで持っていくには、何度も繰り返し作業を行う必要があった」
今季F1ではノーズの高さに関するレギュレーションが変更されたため、その中で最大限のパフォーマンスを引き出すため、ロータスの2本牙ノーズが生まれた。
このデザインを採用したのはロータスだけだが、他チームのソリューションよりメリットは大きいのか?
ジョーダンやジャガーでテクニカルディレクターを務め、現在英AUTOSPORTの技術専門スタッフの役割を果たしているゲイリー・アンダーソンは、次のような考えを示している。
コンポーネントの幅を合計すると、他のマシンよりロータスのデザインの方が空力上の妨害は大きくなるものの、センターが空いていることでマシン中心部に空気が流れることになる。
一方で、ロータスのデザインは、従来のノーズほど空力面で細かい作業を行う余地がない。マシンの下に流れる空気の方向を変えるなどといった、空力面での細かい調整は、従来のノーズよりもしづらいと、アンダーソンは述べている。