2012年F1第11戦ハンガリーGPは現地時間29日にブダペスト近郊のハンガロリンクで70周の決勝レースが行われ、マクラーレンのルイス・ハミルトンが終盤のキミ・ライコネンとのバトルを制し今季2勝目を挙げた。ザウバーの小林可夢偉は18位に終わった。
明け方に激しい雨に見舞われたもののドライコンディションで迎えたレースは、スタートで17番グリッドのミハエル・シューマッハーがエンジンストールを起こして一旦ディレイとなり、規定の70周レースは再度のフォーメーションラップを経て1周少ない69周で再スタートが切られた。
レース序盤は、ポールスタートを決めたハミルトンが2番手グロージャンとマッチレースを繰り広げ、2台は1周目にセバスチャン・ベッテルを交わした3番手のジェンソン・バトンを徐々に引き離すかたちで周回し、最初のピットストップまでに後続に十分なギャップを築く。
しかし、1回目のピットストップで首位のハミルトンと異なるソフトタイヤを選択した2番手グロージャンと6番手のキミ・ライコネンは中盤にかけてハイペースのラップを刻み、特に2番手グロージャンはハミルトンの1秒以内にまで肉薄する。一方、ロータス勢と同じタイヤ戦略をとった4番手のベッテルはバトンに抑え込まれてトップ2台を追走することができず、逆にフェルナンド・アロンソを逆転したライコネンにその差を縮められてしまう。
中盤も依然として首位の座を守ったハミルトンは40周目に最後のピットストップを行いトップでレース終盤を迎えるが、その後はグロージャンに代わって2番手に浮上したもう一台のロータスから追い上げを受けることに。2スティント目を45周目まで引っ張ったライコネンはピットアウトの1コーナーでチームメイトを強引に抑え込むと新品のミディアムタイヤでハミルトンへの猛追を開始し、残り20周を切ったところでついに1秒以内まで迫った。
そこからはハミルトンとライコネンが優勝をかけたバトルを展開。しかし、抜きどころの少ないハンガロリンクで巧みにライコネンとのギャップをコントロールしたハミルトンはそのままライコネンのロータスを振り切るかたちで通算19勝目となる今季2度目のトップチェッカー。
復帰後初優勝に挑んだライコネンはまたも2位に終わったが、3位のグロージャンとともに表彰台を獲得した。一方、終盤グロージャンを捉えていたベッテルは残り10周を前に3度目のピットストップを行い、表彰台争いから後退。同じく3回ストップとなったチームメイトのマーク・ウエーバーもタイトル争いのライバルであるアロンソに逆転され、最終的には8位でレースを終えた。
15番手からスタートしたザウバーの小林可夢偉は、1周目に19番手までポジションを落とすとその後はペースも上がらず、後方でレースを展開。最後もチェッカー目前にピットへ戻ってしまい、ガレージでレースを終える結果となった。
