ロータスが今年のF1マシンに導入しようとしているライドハイト調整システムは合法であるとFIAが判断したようだ。このため、ライバルチームたちは後れを取らないよう、同様のシステムを開発せざるをえなくなるものとみられる。
ロータスが昨年アブダビでの若手テストで試したといわれるシステムについて、ここ数日さまざまな憶測が持ち上がっていた。
このメカニカルシステムは、マシンフロントが下がってしまうブレーキング時に標準のライドハイトを維持し、空力パフォーマンスと安定性を向上させるものであるといわれている。
今週、Gazzetta dello Sportが、このシステムはドライバーがペダルを使うことによってライドハイトを調整すると報じたため、ライバルチームはこのシステムの合法性について調査していた。
ドライバーがブレーキング時にライドハイトを変更するとなれば、このシステムは規則違反となる。
F1テクニカルレギュレーション第3条15には以下のように記されている。
「第3条18に示されている調整に必要な部品(DRS)は例外として、一切の車両のシステム、装置あるいは作動手順で、車両の空力特性を変更する方法としてドライバーの動きを使用するものは禁止される」
しかしロータスのライドハイト調整システムは、ドライバーが調整するものではなく、ブレーキトルクに反応して動く、サスペンションに直接リンクしているものであることがわかった。そのため、このシステムはムーバブルエアロデバイスとはみなされない。
ドライバーが関与せず、サスペンションの一部であれば、このシステムはF1レギュレーションに完全に従ったものである。
ロータスは2010年にこのブレーキシステムを最初に提案、システムの開発過程においてFIAと連携を保ち、昨年1月にはFIAから公式に許可を得ていたとみられる。
FIAがこのブレーキシステムを合法と判断するなら、ライバルたちも後れを取らないよう、同様のシステムを自身で開発せざるをえず、それに関してFIAの許可を得なければならなくなる。
少なくともトップチームのひとつがすでに同様のライドハイト調整デバイスを2012年に使用するため、そのプランをFIAに提出しているようだ。