スーパーGTをプロモートするGTアソシエイション(GTA)は27日、今季からスーパーGTのシリーズ各大会において、公式通知で公示された場合、スポーティングレギュレーションに記載されたスタート手順を一部変更して適用すると発表した。
スーパーGTのスタート手順は、ウォームアップ走行が行われた後、全車がグリッドにつきグリッドウォークが行われ、その後5分前ボード、3分前ボード、1分前ボード、30秒前ボードが掲示され、1周のフォーメーションラップが行われた後、ローリングスタート形式で行われてきた。
しかし、今季スーパーGT500クラスでは、DTMドイツツーリングカー選手権との車両規定統一によりカーボンブレーキが採用された。カーボンブレーキは熱が入っていれば強大なストップパワーを発揮するものの、加温には時間がかかる。DTMではウォーマーが使用されているためタイヤの加温は不要だが、スーパーGTではウォーマーが禁止されているため、レースに向けてタイヤとブレーキの両方を加温しなければならない。
そのため、参加車両のブレーキおよびタイヤへの加温を目的として、レースオーガナイザーが公式通知を出した場合、スタート前にウォームアップラップとフォーメーションラップという目的が異なる1周ずつが行われることになった。GTAから27日に発表された、公式通知が出た場合のスーパーGTのスタート手順は以下のとおりだ。
●30秒前ボード提示後〜ウォームアップラップ開始
グリッド前方でグリーンフラッグが振られる。昨年までのスーパーGTでは、オフィシャルカーが発進しそれに続きマシンの隊列が続いていたが、ウォームアップラップが行われる場合はオフィシャルカーは先導を行わず、停止したまま。オフィシャルカーの後方で役員2名がイエローフラッグを振動する。各参加車両はオフィシャルカーを追い越すまではスローペースで進行し、追い越してからは、タイヤとブレーキの加温のために、ドライバーの任意の速度、任意の車間距離でコースを1周する。ただし、この間他車の追い越しは禁止。
●ウォームアップラップ終了〜フォーメーションラップ開始
参加全車は最終コーナー付近から充分減速し、メインストレートに進入する。グリッド前方で待機していたオフィシャルカーは、GT500クラスの先頭車両の到着を待って、ゆっくりスタートする。競技車両はグリッド順を保ったままオフィシャルカーの後方に一列に整列してフォーメーションラップをこなす。この時の速度は70〜90km/hに保ち、車間距離は前車から10車身以内を維持すること。
●フォーメーションラップ開始後
グリッドボードが出されたら、2×2フォーメーションとなり、隊列は2列縦隊へ。前車の走行ラインから左右にはみ出してはならない。スタートラインの信号がレッドからグリーンに変わったらスタートとなるが、各競技車両はスタートラインを通過するまで他車を追い越してはならない。
また、今季からウォームアップラップ中、もしくはフォーメーションラップ中に、マシントラブルが発生した場合は隊列から外れ、いったんピットロードに入り、ピットスタートを行わなければならない。また、ウォームアップラップやフォーメーションラップ中にスピン、もしくはコースアウトした場合、同一クラスの最後尾からスタートできるが、GT500車両はコースに復帰する時点でGT300車両が差しかかっていた場合、GT300車両の通過を待って、全車の最後尾からスタートしなければならない。
すでに岡山国際サーキットでの公式テストでは、このスタート手順について“練習”が行われ、ウォームアップラップとフォーメーションラップという手順が行われている。今季のGT500クラスでは車両規定の変更により、このスタート方法以外にもさまざまな部分が変更されている。3月28日発売のオートスポーツNo.1378ではこの変更点について、GTA服部尚貴レース事業部シニアマネージャーに聞きまとめてある。ぜひこちらも参照いただきたい。