11日、マレーシアのセパンサーキットでスタートしたスーパーGT500車両のテスト。そのうち、Epson NAKAJIMA RACINGは09規定のEpson HSV-010を走らせているが、このテストにチームは今季のWEC世界耐久選手権のLMP2王者、ベルトラン・バゲットを招聘している。

 バゲットは1986年生まれの27歳。シングルシーターでキャリアを積み重ね、2009年には激戦のフォーミュラ・ルノー3.5シリーズでチャンピオンを獲得。そのオフには、ルノーR29、BMWザウバーF1.09と2台のF1マシンをテストドライブした経験もある。

 2010年からはアメリカに移り、インディカー・シリーズに参戦。コンクエスト・レーシングで1シーズンを過ごし、11年はレイホール・レターマン-ラニガンから1戦に参戦。一方で11年はマルクVDSからFIA-GT1世界選手権にもスポット参戦した。

 バゲットは2012年からル・マン24時間、WEC世界耐久選手権でOAKレーシングに所属。12年にはWEC富士で佐藤琢磨のチームメイトになったほか、今季はLMP2クラスで大活躍。ル・マン24時間のクラス優勝、WECのLMP2チャンピオン獲得を成し遂げた。

 そんなバゲットは、「スーパーGTもスーパーフォーミュラもどちらも、日本のレースのレベルはすごく高い。クルマも素晴らしいし、スーパーGTはDTMと同じ規定になって、たぶんこちらの方が速くなる。チームのレベルもプロフェッショナルで高いよね。それにシングルシーターもやりたくて、スーパーフォーミュラもGP2より速いだろうからね。だからここに来たんだ」セパンテスト参加の理由を語る。

 では来季、バゲットはヨーロッパではなく日本での活動を選択するつもりなのだろうか? バゲットは笑顔で「いい質問だね」と答えた。

「WECで戦うのもいいと思うけど、できれば日本でいいキャリアを重ねたいと思っているんだ。スーパーGTには多くの自動車メーカー、タイヤメーカーが関わっているからね」

 ヨーロッパでは一部のドライバーしかその地位は得られないが、日本でメーカーとのワークス契約を結ぶことは、ドライバーにとっては大きなチャンスと言える。今季、スーパーGT500クラスでウイダー モデューロ HSV-010をドライブし強い印象を残したフレデリック・マコウィッキも、メーカーとの契約を欲し日本にやってきた。バゲットが狙うのもそこだろう。

 この日は道上龍、中嶋大祐がEpson HSV-010のステアリングを握っており、バゲットは一日ピット、サインガードでGT500車両の走行を見つめていた。バゲットがHSV-010に乗り込むのは12日午後からになる。

「クルマは本当にカッコいいね。LMP2よりもカッコいいと思う。明日ステアリングを握るのが待ちきれないよ。ただ、LMP2はカーボンブレーキだけど、これはスチールだからちょっと残念かな」

 バゲットはセパンテストに参加した後、富士で来週行われるスーパーフォーミュラのテストにも参加するようだ。

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