第81回ル・マン24時間耐久レースは23日、24時間に渡るレースのチェッカーを迎えた。終盤の雨による混乱をくぐり抜けトム・クリステンセン/ロイック・デュバル/アラン・マクニッシュ組2号車アウディR18 e-トロン・クワトロが優勝を飾り、8号車トヨタTS030ハイブリッドが2位に入った。

 突然の雨により、終盤大混乱となった90周年のル・マン24時間。中盤からレースをリードした2号車アウディR18 e-トロン・クワトロを8号車トヨタTS030ハイブリッドが1周差で追う展開でここまでの大半のレースが行われてきたが、残り1時間15分で降り出した強い雨により、セーフティカー導入。レースは残り30分で再開された。それまで3番手を争い、SC導入直前にポルシェカーブでクラッシュした7号車トヨタは、SC中にマシンを修復する早業をみせ、1号車アウディの前、4番手でコースに復帰した。

 いまだ水がコースに残る中、トップをキープするのは2号車アウディ。次いで8号車トヨタ、3号車アウディというオーダーでレースは続く。コースには日射し出て急速に路面が乾いていく中、各車はウエットタイヤで24時間のゴールを目指した。

 2番手を走る8号車トヨタのセバスチャン・ブエミは、トップの2号車アウディを追いつめるべく、まずはSC明け残り23分というところで、周回数が違う2号車をかわし速さをアピール。勝利をあきらめない8号車は残り22分に勝負をかけにいく。

 しかし、残りわずかな時間で大きなギャップを埋めることはできず、2号車アウディがそのまま逃げ切り、再び降り出した雨の中優勝。アウディはこの勝利で2010年以来4年連続12回目となるル・マン制覇を成し遂げた。クリステンセンにとっては通算9勝目、マクニッシュは3勝目、そして地元のデュバルは嬉しい初勝利を飾ることとなった。

 2位はアンソニー・デイビッドソン/セバスチャン・ブエミ/ステファン・サラザン組8号車トヨタで、アウディの表彰台独占を阻んだ。3位にはマルク・ジェネ/ルーカス・ディ・グラッシ/オリバー・ジャービス組3号車アウディとなった。中嶋一貴が乗り込んだ7号車トヨタは4位、前年勝者の1号車アウディは、序盤のクランクセンサーのトラブルが響き5位に終わった。

 LMP2クラスは、中盤からワン・ツーをキープした地元フランスのOAKレーシングがそのままトップ2をキープしたまま優勝。ベルトラン・バゲット/リカルド・ゴンザレス/マーティン・プロウマン組35号車モーガン・ニッサンが優勝、24号車モーガン・ニッサンが2位に入った。3位にはG-ドライブ・レーシングの26号車オレカ・ニッサンが入り、ニッサンエンジン搭載車がLMP2クラスでトップ5を独占した。

 このLMP2クラスに25号車オレカ・ニッサンを駆り参戦した中野信治はチームメイトのドライブ中にクラッシュで、28号車ローラ・ニッサンを駆り参戦した井原慶子はマシントラブルにより、それぞれ序盤でリタイアした。

 LM-GTEプロクラスは、序盤からポルシェとアストンマーチンによる僅差の争いが展開された。終盤の雨により、迅速なピット作業を済ませたポルシェAGチーム・マンタイのマルク・リエブ/リヒャルト・リエツ/ロマン・デュマ組92号車ポルシェ911 RSRが優勝。新型タイプ991にル・マン初勝利をプレゼントした。2位は91号車ポルシェで、チーム・マンタイがワン・ツー。創業100周年での勝利を狙ったアストンマーチン・バンテージの97号車は3位となった。

 小林可夢偉が乗り込んだ71号車フェラーリ458は、終盤トニ・バイランダーがドライブ中にコースオフ。遅れを取り戻すべく粘りの走りを続けたが、クラス5位、総合21位でチェッカーを受けている。

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