ホンダは2日、9月22日に決勝レースが行われるWTCC世界ツーリングカー選手権第10ラウンドの鈴鹿に、スーパーGTやスーパーフォーミュラで活躍する伊沢拓也がスポット参戦すると発表した。
2012年の鈴鹿ラウンドからヨーロッパで発売されている5ドアのシビックをベースに作り上げたホンダ・シビックWTCCで参戦を開始したホンダ。ワークスのホンダ・チームJASによって今季はガブリエル・タルキーニ、ティアゴ・モンテイロの2台が、プライベートチームのゼンゴ・モータースポーツからノルベルト・ミケリスが参戦している。
日本メーカーのWTCCワークス参戦ということもあり、プロジェクトを率いる堀内大資プロジェクトリーダーは、オートスポーツwebに対し「将来的にマシンを増やしたい希望はあります。日本人の参戦も検討したい」と3月の時点で語っていたが、その日本人ドライバーの参戦が、鈴鹿で実現することになった。
鈴鹿でワークスのホンダ・チームJASからスポット参戦することが決まったのは、現在スーパーGTでRAYBRIG HSV-010を駆りランキング首位、スーパーフォーミュラでも開幕戦を制し、現在ランキング3位につける伊沢拓也だ。実は昨年、伊沢はポルトガルでシビックWTCCのテストに参加しているという。
「WTCCという大舞台で、ドライブするチャンスを与えてくれたホンダをはじめ、関係者の皆様に大変感謝しています。昨年ポルトガルで行われたテストに参加しましたが、非常にプロフェッショナルなスタッフが揃っていて、今回の参戦においても、大変心強い味方になってくれると思います」と伊沢は参戦に向け意気込みを語った。
「ホンダのドライバーは、F1をはじめ数々の世界選手権で経験を積んだタルキーニ選手やモンテイロ選手、そして新鋭のミケリス選手と、ベテランから若手までが幅広く活躍しています。彼らをはじめ、世界選手権で競い合うドライバーたちと同じ土俵でレースに挑むことは、僕自身のさらなる成長に繋がると確信しています」
「WTCCは非常にハイレベルなシリーズであり、上位に食い込むことは簡単ではありませんが、今回、僕を育ててくれた鈴鹿サーキットで世界選手権に挑戦することは、僕のキャリアの大きな1ページとなります。鈴鹿ではチャレンジングなレースをしたいと思います。ぜひ、応援に来てください」
WTCCではこれまで、日本ラウンドを中心に多くのドライバーがスポット参戦を行ってきたが、ワークスのトップチームからの参戦は2011年にシボレーから参戦した新井敏弘以来。いま波に乗る伊沢の鈴鹿での活躍に期待せずにはいられない。