レッドブル・レーシングのチームプリンシパル、クリスチャン・ホーナーは、昨年フェラーリのチームオーダーを非難したにもかかわらず、先週末のイギリスGPでマーク・ウエーバーにチームオーダーを出したとしてファンなどから批判されている。しかしホーナーは、この状況では仕方がなかったと釈明した。
昨年のドイツGPでフェラーリがフェリペ・マッサにオーダーを出し、フェルナンド・アロンソを前に出させたことについて、当時ホーナーは、「F1とF1ファンにとって残念なことだ」と述べ、強く批判していた。またレッドブルのボス、ディートリッヒ・マテシッツは「フェラーリがホッケンハイムでした行為を誰もが非難した。それなのに我々がそういう行動をとれば愚か者扱いをされる」とコメントし、チームオーダーを出して勝つより正しい姿勢をとって負けた方がいいと主張していた。
イギリスGP終盤で2位を走るセバスチャン・ベッテルの背後に迫るウエーバーに対し、チームはギャップを保つよう繰り返し指示した。ウエーバーはそれを無視し続け、チャレンジしたが、結局オーバーテイクはできず、3位でフィニッシュした。
今季はチームオーダーは違法ではないが、レッドブルのサイトには、今回のチームオーダーに関してファンから多くの批判的なコメントが書き込まれている。
チームオーダーを嫌う発言をしているマテシッツに対して今回のことはどう説明するのかと聞かれたホーナーは次のように答えた。
「マテシッツ氏は、最終ラップで2台のマシンがフェンス行きになったら、それを喜ばしいこととは思わないだろう。大量ポイントを得たことで我々はいいポジションにつけられたのだ」
「我々はマークに最初の2回のピットストップでアンダーカットさせようとした。スタートでバトルすることは止めなかった。だがレースの残り2、3周の時点で、両者が表彰台の位置を走り、大量得点がかかっている場合、ふたりを戦わせておくのは全く愚かな行為だ」
「ふたりは非常に接近していた。彼らがフェンスでレースを終えたら、我々は愚か者に見えただろう」