小林可夢偉は、GTカーでの耐久レースデビューとなった先週末のWECシルバーストンを振り返り、クラス2位は「現状手にできる最高の結果」と語った。

 可夢偉は今年、イタリアのAFコルセが走らせるフェラーリ458GTEを駆り、WEC世界耐久選手権のLM-GTEプロクラスにフル参戦することが決まっている。先週末にその開幕戦シルバーストン6時間を迎えた可夢偉は、チームメイトのトニ・バイランダーとともに初の耐久レースに挑んだ。

 初日、可夢偉とバイランダーの駆るフェラーリはいきなりトップタイムをマークするが、翌日の予選では一転してクラス最下位に沈む。可夢偉は「あらためてWECの厳しさを実感した」と述べると、さらにライバルのアストンマーチンに1秒以上離されていたことに「正直驚いた」とも語った。
「今年の性能調整でアストンがさらに速くなっているということは分かっていたが、予選になって彼らの本当の速さを見せつけられた感じ。F1だと予選中に他とは違った戦略とかできるが、WECではそういう余地はまったくないね」

 しかし可夢偉とバイランダーは、日曜の決勝でスタートから着実にポジションを上げると、最終的にはクラス2位でフィニッシュ。可夢偉自身はWECデビュー戦を表彰台という幸先のいいかたちで終えた。彼は、長く感じたという初の耐久レースを次のように振り返っている。
「レースもとにかく初めての耐久レースなので、どうなるのか想像もできないし、とにかくきちんと仕事をしていこうという気持ちで挑みました」と可夢偉。

「実は、開幕前のテストも含めてドライタイヤで長い距離を走っていないので、タイヤのもちぐあいとか、燃料がどれくらい減るかとか、しっかりとしたデータがない状態でのスタートだった。チームメイトのトニーがスタートを担当した後、僕は26周目から30周、88周目から30周、そして144周目からチェッカーまで26周の3スティントを走って2位でチェッカーを受けることができた」

「とにかく6時間というレースは長いね。ほかのクラスとの速度差もすごいし、LMP1なんてロケットみたいに飛んでいくから。せっかく前との差を縮めていても、他のクラスが来るタイミングであっというまにタイムをロスしてしまうし、アストンマーチンだけでなくポルシェとのタイム差もないので、ホントに接戦だ」

 それでも可夢偉は、レース終盤にチームのファステストラップをマーク、初の耐久でさっそくタイムの“コツ”を掴んだようだ。
「個人的には最後のスティントで、ようやく分かり始めたかなという感じです。そのスティントで出したチームとしてのファステストラップがクラス2番手のタイムで、トップのアストンマーチンにコンマ3秒まで来ていたのはまずまずだと思います。2位という結果は現状では手にすることができる最高の結果だと思います」

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