ザウバーの小林可夢偉は、週末のドイツGPを振り返り、弱点のよく分かるレースだった述べ、早急なマシン改善の必要性を訴えた。
ドイツGPの舞台となったニュルブルクリンクは週末を通して気温が低く、各チームはタイヤの熱入れに苦戦。特にザウバーは、ソフトタイヤでも温まりが悪く「グリップ不足」を抱えたままレースウイークに臨むことになった。
「フリー走行ではとにかくタイヤにうまくスイッチが入らなくて、全然グリップしてなかった。たとえばふつう1周目でグリップが来るところが、僕は1周目ではなかなか厳しくて2周目で来たり、とにかくタイヤの熱がうまく入りにくい状態で、グリップしないからクルマのバランスもわからないという状態でした」
「土曜日朝は若干ましにはなったんで、まあQ3は無理でもQ2には行けるだろうと思っていました。そうしたら、早く予選が終わってしまってびっくりでした。結局前にも後ろにもクルマがいて、本来のペースでアタックすることができなかったんですが、それだけでなくやはりペースがよくなったですね」
決勝の可夢偉は、セバスチャン・ブエミの予選結果除外で17番手からスタート。2ストップ作戦でレースを走りきった可夢偉は9位でフィニッシュし、またも劣勢を跳ね返して3戦ぶりとなるポイントを獲得した。
「日曜日の決勝は全体的にレースの内容としては悪くはなかったんですけど、やっぱり単純にペース不足という問題があったので、とにかくポイントを獲れたのはよかった。チームがいい戦略で対応してくれたし、ミスなく終わったことを感謝したいです。今回はとにかくスタートで前にいかないときついなと思っていたので、それはうまくいきました。ただ、1周目の2コーナーからはイン、インと内側を攻めていっただけで、特に何かをしたわけでもないですから、運が良かったというしかないですね」
「その後バリチェロをどこで抜いたかはハッキリと覚えていないんです。レース中、ロズベルグやミハエルとポジション争いをしましたけど、とにかくメルセデス勢は直線があまりにも速すぎて話になりませんでした。僕たちのクルマは実際には直線だけでなくコースのほぼ全部でつらかったんですけど、S字は速かったですね。あそこが唯一のコーナーだし、あそこだけでは速い(笑)。コーナーでは勝てるチャンスはあったので、僕たちの弱いところがよく分かるレースでした。最後はペトロフに完全に追いつかれていましたけど、守り切れてよかったです」
「初日から苦しんでいたグリップ感は、まあほかのチームの状態がわからないですけど、そんなに悪くはなかったけれど、とにかくクルマをもっとよくしないといけないですね。フォースインディアも速くなっていますけれども、暑くなったときにどうなるのかというのをみてから、しっかりと対応したいと思います。ともかく今週末は全体的にメルセデスエンジンがずっと速かった。だから彼らが前にいるなかでもポイントを獲れたのはよかったです。でも運もあったと思うし、満足というよりも解決しないといけない課題は多いですね。もちろんクルマはそんなすぐには速くならないので、チームが対応してくれている間、僕は自分の仕事をきちんとしながら、ひとつも取りこぼさないように戦っていきたいと思います」
(コメントは小林可夢偉公式サイト内「KAMUI'S REPORT」より引用)