8日、マレーシアGPを終え日本に一時帰国している小林可夢偉(BMWザウバー)が都内で会見を開き、序盤の戦いを振り返った。可夢偉は序盤の苦戦は予想外と語り、今後は「やるべき事をやる」と挽回を誓った。
今回は可夢偉がBMWザウバー入り後初めて日本で会見を開くとあって、会場には一般紙を含め多くの報道陣がつめかけた。
この日の可夢偉は黒のジャケットに細身のパンツと、一見してF1ドライバーとは思えないようなセンス溢れる着こなしで登場。「こんなにも多くの人が来るとは思ってなかった」と話す可夢偉は、終始笑顔でインタビューに応じた。
会見の冒頭では、ここまで3戦連続リタイアと厳しい戦いが続く可夢偉に、「開幕3戦を終え、期待通りの結果ですか?」とのストレートな質問がいきなり浴びせられた。
「正直、全然期待通りではないです」と可夢偉。開幕前のテストが好調だっただけに結果とのギャップに気の落ち込みも心配されたが、そうした表情は一切見せず、「チームは精一杯やれることをやっているし、ここ3戦はタイミングが悪く不運が重なっただけ。自分たちがやるべき事を見失わないよう、やっていくだけ」と力強く述べた。
それでも中団を争うライバルについては可夢偉自身も思わぬチームの躍進ぶりに警戒感を見せている。「ルノーが予想外だった」と、オ−ストラリアで2位、続くマレーシアでも4位という結果を残したルノーの速さを改めて認めた。
「フォース・インディアの速さはある程度予想していたけど、ルノーがあそこまで速いとは思っていなかった」と語る。
それでも自分たちのポジションを改めて確認できたことは大きいと言い、中国までの2週間はチームを立て直すいい機会だと捉えている。
チームは次のレースから前フォース・インディアのテクニカル・ディレクターだったジュームズ・キーがウイリー・ランプに代わってチームの新しいTDに就くことになっており、可夢偉も「そういう意味でいい切り返し、人材のアップデートになる」と前向きな姿勢。今後マシンもスペインGPではいくらかのアップデートが施されると語っている。
可夢偉はこの後もしばらく日本に滞在するとのこと。この間にチーム、そして可夢偉自身も気持ちを切り換え、次戦中国GPからは巻き返しを見せたいと最後も笑顔を見せた。
