7月18日(土)〜19日(日)に富士スピードウェイで開催される全日本選手権スーパーフォーミュラの第3戦。第2戦から約2カ月の期間をおいて開催されるこのレースの注目ポイントをおさらいしておこう。
●不安要素は天候か
搬入日となった金曜日は、午前中こそ強い雨が吹き荒れ、御殿場市小山町の一部には避難勧告も出されるような状況となっていた。ただ、午後に関しては、時おり雨がぱらつく場面もあるも、曇り空で夕暮れ迎えることとなった。
5月の岡山戦でシリーズ初勝利を上げた石浦宏明(P.MU/cerumo・INGING)は、「もちろん2連勝が目標です」と意気込みを見せるとともに、「できるなら赤いランプ(※ロールフープ部の“リーダーズレッド”)を維持していきたいですね」と王座争いにも名乗りを上げた。ただ、「ドライなら自信はあるのですが、天候が変わったりすると明日は厄介かなと思います」と石浦が語った通り、土曜日は予選時の降雨を示す予報も出ている。ただ一方で、午前中のみ雨という予報もあり、不安定な天候への対応が勝負の行方を左右する可能性もありそうだ。なお、日曜日に関しては、現在のところ雨の予報は出ていない。
●可夢偉陣営は「優勝するのみ」
一方、岡山では石浦との接近戦を繰り広げ、2位に入った小林可夢偉(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)陣営の士気も高そうな様子。可夢偉車を担当する山田健二エンジニアも「(岡山で)2位になっているので、もう優勝するしかないですよね」と意気込みを見せる。ただ、トヨタ育成出身の可夢偉ながら、現在の富士を走ったのはデモランなどごくわずかということだが、「チームとしては、去年もここで(アンドレア)カルダレッリ選手がポールポジションを獲っているし、平川(亮)選手も雨の中で一位を走った場面もあって、ベースの速さとしては問題無いと思っているので、自信をもって戦っていきたいと思います」と、山田エンジニアは笑顔で自信をのぞかせた。
ちなみに可夢偉に関しては、6月末〜7月初頭の3日間にオートポリスで行われたメーカーテストにも参加。関係者によると、可夢偉はこのテストでドライのオートポリスを数十周にわたって走りこんだということで、タイヤはヨコハマタイヤだったとはいえ、SF14での経験値をさらに積んだ様子。チームとしての士気も高い可夢偉陣営が、今回もレースを動かすファクターとなるだろうか。
●第2戦欠場の一貴が“復帰”
また、今回のレースで注目のドライバーといえば、中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM’S)。一貴は、4月末にWEC第2戦スパのフリー走行でクラッシュを喫し、脊椎を損傷。スーパーフォーミュラでも5月の岡山戦を欠場したが、手術やリハビリを経て、6月のル・マン24時間でレースに復帰。スーパーフォーミュラでも、この第3戦から戦線へと戻ることとなり、欠場は1戦のみに抑えた。
搬入日となる金曜日、サーキットに姿を見せた一貴は、身体の痛みになどについて「全然ないですね。開幕戦以来になるので、クルマに乗っていないことのほうが不安です」と話し、身体的な面では問題ない様子。「もちろん勝つことが目標ですが、あまり富士はいいイメージがないので、(復帰戦としては)謙虚に表彰台からスタートしていきたいですね」と、意気込みを見せた。
●燃料流量“若干減”でのタイムは?
この富士戦では、エンジンの燃料流量リストリクターが岡山から5kg/h増え、95kg/hに設定されている。昨年の富士戦は100kg/hで争われているため、昨年比では若干の減少となった燃料流量の中で、どのようなタイムがマークされるのかにも注目だ。
また、今シーズンからは、オーバーテイクボタンを使用した際の燃料流量の増加量が、10kg/hへと上昇しており、国内屈指のロングストレートをもつこの富士ではこの変化がどのようなバトルを生み出すのかという点も見逃せない。
●レース以外のイベントも盛り沢山
なお今回の富士戦は、Enjoy HondaやTOYOTA GAZOO Racing PARKなどのイベントも同時開催となっており、レースだけでなく一日を通してサーキットで楽しむことができる。また、スポーツ専門テレビ局のJ SPORTSでは、決勝日の午前8時30分から富士スピードウェイからの放送を実施。スーパーフォーミュラの朝のフリー走行をはじめ、全日本F3選手権第13戦の決勝レースなども放送されることになっているので、現地へ足を運べないという方は、ぜひこちらもご活用を。
