記録から読み解く2015年のF1。今回は4メーカーの各パワーユニットを搭載する4チームの全周回数と、ドライバー別のパワーユニットの年間使用数を見る。

 全19戦の決勝規定周回数は1149周で1チームにつき2298周となる。これに最も近い周回を重ねたのはもちろんメルセデスで、2220周を走破。昨年は唯一、信頼性に不安を抱えていたが、今年は走破率にして実に97パーセントと抜群の信頼性を誇った。リタイアはシンガポールでルイス・ハミルトン、ロシアでニコ・ロズベルグが記録しただけだ。(イタリアでのロズベルグ残り2周でのエンジンブローは完走扱い)

 ただし、ドライバー別にみるとトップはフェラーリのセバスチャン・ベッテル、2位がフォース・インディアのセルジオ・ペレスで3位と4位にメルセデスのふたりが続く。1127周を走ったベッテルは98パーセントを超える走破率。また、少し前までどちらかというとクラッシュのイメージが強かったペレスは、今季パフォーマンスの向上と共に安定性の面でも大きく成長したと言えるだろう。

 フェラーリはチームでみると、メキシコで喫した2006年以来のダブルリタイアが大きく、わずかな差でレッドブルの後塵を拝した。ちなみに周回数別の2位はメルセデス\b陣営のウイリアムズとなっている。

 パワーユニットのコンポーネント使用数ではマクラーレン・ホンダ2台の数字が飛び抜けており、フェルナンド・アロンソは19戦で12基のICE(エンジン本体)を投入した。
 その一方、メルセデス製PUを搭載する4チームは8名のドライバー全員が年間4基でシーズンを乗り切っており、カスタマーユニットも高い信頼性を誇っている。

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