第7戦 オートポリス 決勝レポート (GT300)

タイヤ無交換でポイント獲得

　昨日は予選前にタイヤのピックアップや摩耗の問題を解決出来たものの、車のリアが跳ねる症状が残っているなど、完璧な状態とは言えず、決勝でより良いコンディションで走れるように午前のセッションはセットアップを進めていった。レースの流れによってはタイヤ無交換も視野に入れ、ここオートポリスで2連勝を目指して決勝に挑んだ。
　スタートドライバーは高木真一。予選2位だった31号者が直前にトラブルが発生し、ピットスタートとなったため、高木は実質2番手スタートとなる。高木は序盤でGT3勢に抜かれない事がポイントと言っていたが、タイヤが暖まるまでに2番手をキープして走行する事が出来た。トップの2号車には差を広げられてしまったが、高木はタイヤを労りながら25周以上に渡り2番手をキープしていった。高木のペースは安定していたものの、後続車のペースが徐々に上がり、37周目にルーティンのピットインをするまでに4番手までポジションを落としてしまう。
　しかし、チームはタイヤを無交換とすることで、わずかなピットストップで小林崇志をコースに送り出した。その甲斐あって小林は5番手で戦列に戻る事が出来た。
　小林は前車の脱落にも助けられたが、速いペースで51周目までに表彰台圏内までポジションを戻した。
しかし、終盤はタイヤも厳しくなり最終的には6位でチェッカーを受けたが、最後までタイヤを保たせ、ポイントを獲得する事が出来た。

土屋圭市エグゼクティブアドバイザーのコメント
「ここでは勝つか、表彰台には登りたかったんだけど、6-7位が実力的には現実的なのかなという考えもあった。しかし、チームは見事に車をとても良いバランスに仕上げてくれたし、ドライバーはタイヤ無交換でとにかく頑張ってくれて、レースの内容はとても良かったんじゃないかと思っています。欲を言えば、表彰台は欲しかったけど、素晴らしい内容だったと思います」

一瀬俊浩エンジニアのコメント
「午前のフリー走行は昨日から問題があったピックアップや車が跳ねる症状の解消を目指してセットを進めました。テストの時はプッシュして走ればタイヤカスが取れるという事がわかっていたのですが、今週末は気温が低くて、なかなかその通りにはいきませんでした。決勝は序盤ペースが良かったんですが、やはりタイヤカスが付着してしまい、ペースが上がらなかったところがありましたが、タイヤ無交換という作戦に切り替えて、何とかポイントを獲得する事が出来ました。次回も気温が低いので、ピックアップと跳ねについて対策をしていきたいです」

高木真一選手のコメント
2番手の車がトラブルでピットスタートになってしまったので、自分達が実質2番手スタートになりました。もしかしたら先行逃げ切りのパターンでレースを展開できるかな、と思っていました。ピックアップの心配もありましたが、トップの車に食らいついていけば、チャンスが来るのでは無いかと思いながら走っていました。しかし、10周を過ぎたあたりから、タイヤもキツくなってきて、どうしようか悩みましたが、後半雨も降る予報だったので、タイヤ無交換でも最後までいけると思い、作戦を変更しました。でも後半は思ったより雨の量が少なかったので、終盤小林はタイヤが厳しくなってしまいましたが、レース全体を見て良く出来たレースなんじゃないかな、と思いました。自分で言うのも変ですが、評価出来るレースだったと思います」

小林崇志選手のコメント
「前半のスティントで高木さんは序盤とても良いペースで走ってくれましたが、やはり徐々にタイヤカスが付着してしまったようです。しかしながら、高木さんのベテランらしいテクニックで大きくポジションを落とす事無くレースを展開出来ました。ドライバー交代が迫ってきた時に雨が降り始めていたのと、もっと強くなる予報もあったので、タイヤ無交換でピットストップの時間を節約し、雨が強くなったらレインタイヤに履き替える作戦にしました。その後、雨が強くなる事は無くて終盤タイヤがキツかったのですが、何とかポイントを獲得する事が出来て良かったです」