2009年のF1終盤2戦にトヨタからF1デビューを果たした小林可夢偉がザウバーF1チームと契約したことが17日、正式に発表された。

 可夢偉は兵庫県尼崎市出身で、レーシングカートを経てフォーミュラ・トヨタで四輪レースデビュー。その後ヨーロッパに活動の場を移し、フォーミュラ・ルノー2.0のチャンピオン、ユーロF3を経てF1直下のGP2に進み、GP2アジアシリーズでは09年のチャンピオンを獲得している。

 トヨタのドライバー育成プログラム(TDP)の一員として育った可夢偉は、07年からトヨタF1のテストドライバーに就任。09年は日本GPで負傷したティモ・グロックに代わりブラジルGP、アブダビGPに出走し、最終戦で6位入賞。チャンピオンのジェンソン・バトンらとも互角に戦う走りをみせ、関係者からは抜群の評価を与えられていた。

 今回可夢偉がF1参戦することになったザウバーF1は、09年までBMWザウバーとして参戦してきたチーム。BMWがF1撤退を決定し、その後紆余曲折を経てもともとのチームオーナーであるペーター・ザウバーがチームを買い戻す形となった。スイスのヒンウィルに本拠地を置き充実したファクトリーをもつが、BMW撤退後のチームの買収先がなかなか決定せず、FIAからの2010年エントリーも12月に入ってようやく承認されたばかりだ。

 可夢偉の起用について、かつてはキミ・ライコネンやフェリペ・マッサらを発掘した“名伯楽”であるオーナーのペーター・ザウバーは「可夢偉と一緒に仕事をするのを非常に楽しみにしている。今シーズン最後の2戦において、自分の才能を証明する思いがけないチャンスを得た彼は、それを確実に活かして見せた。特に最終戦アブダビGPでは、彼が単に速く、アグレッシブなドライバーというだけでなく、戦略を着実に遂行する能力もあるということを示した。私は彼が非常に大きな可能性を秘めており、我がチームに多くをもたらすことができると確信している」と語る。

 また、トヨタF1の撤退により危ぶまれた来季のF1フル参戦にこぎ着けた形となった可夢偉は「レースキャリアをスタートしたときからF1ドライバーになることを夢見てきましたが、正ドライバーとしてフル参戦する夢がついに叶いました。2009年にトヨタで戦ったレースが評価されたことで、F1のシートを獲得でき非常に嬉しく思います。ペーター・ザウバー氏のチームで、ベストを尽くして戦うつもりです。そして日本人の代表として、F1に参加し続けられることを誇りに思います」と心境を語っている。

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