フェラーリは、夏休みまでの4戦でいい結果を出せなければ、今季タイトル獲得の望みはついえるだろうと認めた。苦手とするタイプのシルバーストンには、マシンパッケージを大きく変更して臨むという。
フェラーリは、昨年最終戦に逃したタイトルを取り戻すことを目指して今シーズンを迎えたものの、いいパフォーマンスを見せることができず、いまだ勝利を挙げていない。ポイントリーダーのセバスチャン・ベッテルとフェルナンド・アロンソの差は92ポイント、レッドブルとフェラーリの差は154ポイントに広がっている。
フェラーリは、夏休みまでの4戦がタイトル争いにおいて重要であると、ヨーロッパGP前のプレスリリースにおいて記している。
「率直に言おう。これからの4戦がチームによい結果をもたらさなかったとしても、残りのレースも引き続き勝ちを狙っていき、諦めることはない。それでもそれは、2011年のタイトル獲得の望みがついえることを示すものとなるだろう」
「ヨーロッパGPとハンガリーGPはチャンスがあり、接戦となるだろうが、この2戦にはさまれるイギリスとドイツがかぎになるだろう。シルバーストンとニュルブルクリンクは、空力が非常に重要なサーキットだからだ」
チーフデザイナー、ニコラス・トンバジスは、次のバレンシアではフェラーリは戦えると考えている。
「この数カ月で我々は大きく進歩した。それがこの数戦に表れていると信じているし、この流れが今後も続くよう願っている」
「モナコとカナダでは、結局は期待した結果は訪れなかったものの、我々はついに優勝を争える状況になった。我々がコンペティティブだったことにはふたつの理由がある。ひとつはこの2戦のコース特性が我々のマシンに合っていたこと。もうひとつはマシンが改善されたことだ」
「この流れはバレンシアでも続くだろう。このコースにはこの2戦、特にカナダとかなり多くの類似点があるからだ。長いストレートがあり、ハードブレーキングのポイントがあり、中速コーナーがある」
フェラーリは、カナダでテストをした改良型のリヤサスペンションシステムをバレンシアで使用する予定だという。
「カナダの金曜にアロンソ車でこれをテストした。ポジティブなテストだった。タイヤについては、我々も他の大部分のチームもまだ学んでいる最中であり、このサスペンションパッケージは我々のマシンをピレリタイヤによりフィットさせるための試みだった。カナダでのテストは非常にうまくいった。しかしこの時はシミュレーションの結果が正しいかどうかを試すための実験的な試みだった。今後の数戦では積極的に導入していく予定だ」
空力効率が重要となるイギリスでは、さまざまな変更を加えた新しいパッケージを持ち込むとトンバジスは述べた。
「このタイプのサーキットを、我々はこれまで苦手としてきた。今年のバルセロナを見ればよく分かるだろう。あそこで我々には全く競争力がなかった」
「したがって、シルバーストンでは非常に広範囲にわたって一新したパッケージを導入する。多くのものを変更し、それがマシンを大幅に改善し、競争力を向上させてくれるはずだ。この大幅に変更した新パッケージによって優勝争いに加われることを期待している。ただし実際どうなるかはグランプリを迎えてみなければ分からないが」