BMWの撤退によって13番目のF1チームとして2010年への出場が可能となったロータス。その名前はイギリスのノーフォークのマニュファクチャラーを起源とし、初期はノーフォークにファクトリーを設けるとしているが、実態はマレーシア政府と企業によるパートナー連合。暫定チームマネージャーのトニー・フェルナンデスはこのロータスプロジェクトはマレーシアにとってF1との関わりを広げるチャンスだと主張する。
マレーシア政府は11月にはふたりのドライバーを発表予定で、現在6人の候補がマレーシア内外から選出されているという。
地元のドライバーからはワールドシリーズ・バイ・ルノーとGP2アジアシリーズに参戦のファイラス・ファウジーがその有力候補。その一方で、フェルナンデスはF1での経験があるドライバーもチームがグリッドに並ぶ上で必要だとしている。
「個人的な意見で言うならば、たくさんの経験を持った人間を迎え入れたいと考えている。たとえキャリアが終わりに近づいていても、マシンの開発ができ経験値をチームに加えられるような存在が重要だ」とロイターに対して語っている。
これまでF1に参戦したことのあるマレーシア人ドライバーはアレックス・ユーンのみ。彼は01年にデビューし、02年はフルエントリーを果たしている。また、ファウジーは過去にスパイカーF1のテストを経験している。
一方、フェルナンデスは彼のエアアジアは2010年もウイリアムズをスポンサードすることを明らかにした上で、長年F1と関わってきたペトロナスにこれまでサポートしてきたBMWの代わりとしてチームについてもらうつもりだという。
「我々はペトロナスへ、チームにスポンサードしてもらうためのキャンペーンを展開中だ。マレーシアのチームには何らかの形で関わる必要があると、彼らが考えてくれるだろうと思っている。しかし、黙っていてもサポートしてくれるとは思っていない」
また、フェルナンデスはノーフォークのファクトリーを将来的にはセパン・インターナショナルサーキットへと移すとしている。しかし、これら一連のプロジェクトが進行しても、ロータスとしてのアイデンティティーは残されていくことを明言している。
「コーリン・チャップマンは立派な経歴を持っている。我々はそれをさらに拡大していきたい。これまでの伝統を守り、さらに価値を高めていきたい。自分達が“オリジナルのロータス”だと意識して、そのプロセスを続けていきたい」