今季からスーパーGT500クラスはDTMドイツツーリングカー選手権と車両規則を統一。DTMと同サイズ、同強度のモノコックをはじめ多くのパーツを共通化。2017年の完全規則統合に向けて第一歩を記したが、その開幕戦となるスーパーGT第1戦岡山に、DTMを運営するITR e.v.のハンス-ベルナー・アウフレヒト代表が訪れた。
それまでも車両レギュレーションの部分で似通った部分があったDTMとスーパーGTは、2009年からコストダウンと、グローバルに活用できる車両できるテクニカルレギュレーション作成を目指し交渉を開始。2012年からDTMが先行で現在の車両規定の使用を開始し、スーパーGTではエンジン等細かな部分が異なるものの、2014年から新規定の使用を開始した。
そんな記念すべき新規定導入後初レースとなったスーパーGT第1戦岡山に、アウフレヒト代表が来場。DTMとスーパーGT、そしてアメリカのIMSAは、2017年に向け完全共通規定の導入を目指しているが、その第一歩となるレースの舞台で、統合第一歩に祝辞を送った。
坂東代表の横に座ったアウフレヒト代表は「桜の咲き誇る季節となりました」と日本語で挨拶を始めた。
「我々は特別な週末に立ち会っている。我々の友人、スーパーGT関係者の皆様にとって新時代の到来を示す格別なイベントだ。新技術規則で実施する最初のレースは、どのレースシリーズにおいても大きな転機を意味する。我々DTMにおいても、2年前に同じ経験をした。振り返ってみると、新規則の導入は大成功し、再びDTMを新たな、より高いレベルに進化させてくれた」
「共通規則はモータースポーツの将来を保障し、全関係者のコスト低減を可能にする。今日、コスト低減は自動車産業以外でも重要なことだ。同時に、共通規則は自動車メーカーが自動車レースのための最高水準の開発努力を様々な重要な市場で利用することを可能にする。そういった背景で、アメリカの友人(IMSA)が我々の共通規則を用い、新シリーズ立ち上げに取り組んでいることは、適切な選択だ」
「アメリカではまだ計画段階だが、ここ日本ではより具体的な姿になってきている。新しい車両による初のレース週末。コースを走るホンダ、レクサス、ニッサンの新車両を見ることは大きな楽しみだ。ファンの皆様も間違いなく同じ思いだろう」
アウフレヒト代表は前日の予選日夜に日本に到着。DTMも開幕戦ホッケンハイムが近づいており慌ただしく過ごすことになるが、次回は8月の鈴鹿に来場予定。このレースではスーパーGT、DTM、そして北米IMSAの代表が集い、2017年の規定に向けて協議を行う“ステアリング・コミッティー”が開催される。
また、鈴鹿ではスーパーGT側からも要望が出ている、DTMとスーパーGTの交流戦についても協議されるとアウフレヒト代表は語る。
「DTMとスーパーGTのすべてのマニュファクチャラーが一緒に走ることを、すべてのメーカーが望んでいると思う。その目標に向けて動いていきたい。そしてそれはファンの望むことでもある」とアウフレヒト代表。
「8月、日本の“おもてなし”を再び体験することを楽しみにしている」