IZODインディカー・シリーズ第16戦インディジャパンの決勝を終え、日本人ドライバー3人がレースを振り返った。
佐藤琢磨(ロータス/KVレーシング):決勝12位
「昨日からクルマがどうなっているか心配な部分もありましたが、走りながら直していこうと思っていました。スタートはタイトで、密集していましたが、我慢のレースになると思ったので、慎重に行きました。そこで順位も落としましたけど、レースが落ち着いてからはひとつひとつ前を抜いていくレースになりましたね。
今日はイエローが多いレースでしたけど、そのたびに落ち着いて対処できましたし、破片とかもらったりしなかったのは良かったですね。今日はピットインのたびに順位を落としたりしましたけど、トラック上ではたくさん追い抜きができたのは楽しかった。それに、毎周最終コーナーを立ち上がるたびにたくさんのファンの皆さんが見えて、本当にレースしていて楽しかった。そのうち『もっと前へ』という気持ちができましたね。
最終結果から言えば、トップ10フィニッシュできなかったのは残念でしたが、今週末の出だしを考えればこの結果はチームが素晴らしい仕事をしてくれたと思うし、こうしてファンの皆さんの前で思い切りレースができたのは良かったと思います。
体調は、今朝起きたらかなり体は硬くなっていたんですが、ラッキーなことに夜中ベッドに座ったり、夢にカマキリは出てこなかったので※(笑)、グッスリ眠れました。ただ、レース前は頭痛が少しあったんです。昨日は150Gという衝撃を受けていたらしいですからね。鎮痛剤を飲んで対処したので、レースはまったく問題無かったです。
今季は本当に苦戦が続いていて、まともな状態でチェッカーを受けたことが無かったんですが、今日はタフなレースだったけど、しっかりレースになっていたし、すごく良い経験を積めたと思う。ここからまた一段上がって、最終戦では上位を目指して頑張ります」
武藤英紀(ニューマン・ハース):決勝14位
「スタートはかなりコンサバにいって、慎重に周回を重ねていたんですが、序盤はあまりマシンの状態は良くなかったですね。順位もゲインできるような状態では無かった。レース中盤から、コクピットでアジャストしていた部分もあるんですが、マシンの状態が良くなりました。
その後、他がピットに入ったタイミングで作戦を変えてステイアウトして、一時2位を走行したり、コンスタントにトップ5を走ることができた。マシンバランスは良かったですね。ピットで順位を落としてしまったんですが、先程琢磨さんが言ったとおり、ファンの皆さんが見えていたので、精一杯頑張ろうと思っていました。結果には満足していませんが、そういった攻めの姿勢で終われたのは良かったと思います。
今日は父親も見に来ていたんですが、生で見てもらえてやはり特別なものを感じましたね。最終戦に向けては、今回すごく終盤マシンの状態が良かったので、予選で前に行って、トップ争いができるような締めくくりにしたいですね」
ロジャー安川(コンクエスト):決勝20位
「非常に長いレースになってしまいましたね。スポット参戦ということで、出だしから無難に行って後半戦に勝負をかけようと思ったんですが、序盤はうまくマシンが動いてくれなかったことや、スタッフが急遽帰らなければいけなくなり、スーパーGTで働いているスタッフと、もうひとり日本人を入れて働いてもらいました。
今回はとにかく完走を目指そうと思っていたんですが、去年に比べて自分の走りもみせられず、終盤は淡々と走って終わってしまいましたね。非常に悔しいレースとなってしまいました。
ただ、1年に1回しかないチャンスで、1周1周大事に走ってそれなりに楽しむことはできました。琢磨選手とは違う理由で首が張ったり頭痛があったりしたんですが、来年は乗るチャンスがあった時にはちゃんと準備したいと思いますね。ポンと乗って結果が出るほど甘くないレベルになっています。
きちんと完走できたことについてはチームも喜んでくれていますし、まずまずの結果だったと思います。次回以降については、36号車には若い子が持ち込みで乗るそうです。自分の頭の中は完全に来年に動いていますし、来年はまたインディ500も含めて動こうと思います。ダメだった場合は、また琢磨さんお願いします(笑)。(琢磨から「戻ってきてよ〜」の声)最終戦では琢磨選手に表彰台目指して頑張って欲しいですね」
※昨年武藤英紀がクラッシュした際にそういう症状に見舞われた。詳しくはこちらへ
