2009年F1第15戦日本GP土曜に行われた予選で、ポールポジションを獲得したレッドブル・レーシングのセバスチャン・ベッテルをはじめ、各ドライバーたちが、それぞれのセッションについて語った。
2009年F1第15戦日本GP土曜日ドライバーズコメント
1 ルイス・ハミルトン(マクラーレン) 予選3位
今日の午後はこれほど高い競争力を発揮できるとは思っていなかった。午前中にはマシンがトリッキーだったので、予選の前に大きな変更をしなければならなかった。マシンから100パーセントの性能を引き出すことができず、特にファーストセクターが厳しかったんだ。ドライセッティングを煮詰める時間があまりなかったから、予選前に施した変更がうまくいくことを祈って予選に臨んだ。そしたらうまくいった。前にも言ったけれど、僕はこのサーキットが大好きだ。ものすごく楽しいし、歴史も特徴も備わっている。過去に偉大なドライバーたちがレースをした場所を自分が走っていることに感動したし、光栄にも思うよ。明日はここでぜひ勝ちたい。全力を尽くすつもりだ。レッドブルはかなり手強いと思うけど、ターン1までの長い直線があるし、僕らのKERSはこれまで以上によく効果を発揮している。それから、セバスチャンの方が僕よりも気にかけなければいけないことが多い。彼は世界選手権のことを考えなければならないけれど、僕はここで楽しく過ごして、チームのコンストラクターズ選手権の順位を上げるためにいくつかポイントを獲ることだけを考えていればいいんだからね。
2 ヘイキ・コバライネン(マクラーレン) 予選9位
ターン8の進入でスピードを出しすぎて、縁石を乗り越えてマシンが飛び出し、コースに戻れなくなった。そこで僕の予選は終了だよ。今日は3つアクシデントがあったけれど、これはドライでの走行時間がとても少なかったせいで、全員が限界まで攻めていた結果だと思う。マシンのフィーリングはよかったし、バランスも問題なかった。明日に向けていい感じだと思うよ。僕のメカニックたちが修理で徹夜しなければならないほどマシンのダメージがひどくないことを願っている。
3 ジャンカルロ・フィジケラ(フェラーリ) 予選16位
Q2に進出できなくてとても残念だ。ドライでのマシンの準備は今朝のフリー走行でしかできなかった。そんな中でも僕はパフォーマンスレベルを上げ、F60に対する自信をさらに深めることができた。最後の計測ラップでひとつミスをしてしまった。そのロスでQ2に進めなかったのかもしれない。明日の目標はポイントを獲ること。グリッド8列目からのスタートではかなり難しい目標なのは分かっているけれど、いい戦略を利用すればいけるかもしれないよ。
4 キミ・ライコネン(フェラーリ) 予選8位
今日はこれよりもずっといいポジションを期待するのは無理だったと思う。僕らは自分たちのポテンシャルを把握しているし、それを受け入れなければならない。ここではシンガポールよりは間違いなく状況はいいけれど、それでも苦戦していることには変わりがない。特に、空力ダウンフォースが足りず、それが主に第1セクターで響いてしまった。でも、全体的にマシンはよく機能したし、この要求の高いコースを走るのは素晴らしい気分だった。ここはほんの小さなミスでも高くついてしまう。今日その例は目にしたよね。Q3でソフトのニュータイヤが残っていなかったのが残念だ。ノックアウトを避けるためにすでに使ってしまっていたんだ。全体的にいい予選だった。明日はいいレースができるようトライするよ。上位争いをするのは難しいだろうけど、いい戦略に頼ってなんとか挑戦してみよう。
5 ロバート・クビカ(BMWザウバー) 予選13位
今日の予選には本当にがっかりだ。Q2ではアタックラップがすべてレッドフラッグやイエローフラッグに台無しにされてしまったんだ。15分間で、1周も良い計測ラップができなかったよ。明日のレースに向けて予選13番手というのは、理想からは程遠い。鈴鹿は素晴らしいコースだけど、ここでのオーバーテイクはそう簡単じゃない。そういうものなんだ。ティモに問題がないといいね。彼の幸運を祈る。
6 ニック・ハイドフェルド(BMWザウバー) 予選6位
自分の予選のパフォーマンスには満足している。Q3では本当に良いアタックができたんだ。午前中のフリー走行でセッティングに悩まされて妥協を強いられたから、予選に関してはそれほど楽観的に見てはいなかった。Q2ではイエローフラッグを見てペースを落とし、減速しなければならない場所で減速したことを知らせるために、手を挙げた。コンマ数秒ラップタイムが落ちたよ。間違いなく、とてもおかしな予選だった。こんなにたくさんのアクシデントが起きる予選は見たことがないよ。ティモが大丈夫だといいね。
7 フェルナンド・アロンソ(ルノー) 予選12位
とてもおかしな予選セッションだった。コースコンディションは良好で、ドライバー全員がプッシュしており、たくさんの事故が起きた。中でもティモの事故が一番ひどかった。彼が無事で嬉しいよ。Q2の終盤でイエローフラッグが提示されたために、Q3進出を逃すことになって悔しい。スチュワードに話を聞かれたが、僕はイエローフラッグが提示された時に、黄旗区間でないセカンドセクターを走っていた。ターン14を立ち上がってきた時に、少し視界が悪くなったのを感じた、と彼らに説明したよ。ブエミがスピンしてグラベルに突っ込んだことでダストが舞っていたんだ。その後、コースの真ん中にウイングの破片が落ちているのが見えたので、それを避けて走り、その時点でイエローフラッグが見えたので、すぐにスピードを落として慎重に走ってピットに戻った。明日の決勝では、ポジションを上げて、いくつかポイントを獲れることを期待している。
8 ロメイン・グロージャン(ルノー) 予選18位
昨日の雨のせいで、予選セッション前にドライで走れたのは、今日の1時間のプラクティスだけだった。そのため、ここは僕にとって初めてのサーキットだというのに、あまり周回数を重ねることができなかったのが残念だ。いいレースをするチャンスをうまくつかむには明日どういう戦略を用いればいいのか、検討してみなければね。
9 ヤルノ・トゥルーリ(トヨタ) 予選2位
今日は、ティモと一緒にフロントローからのスタートを獲れたはずで、彼に同情する。チームからすぐに、彼の状況を聞き、安心した。ただ僕と一緒にトップ6に入ることができなかったのは残念だった。赤旗が複数提示されるという、普段と異なる予選だったが、特に日本のファンの前で結果を出すことができ、とても嬉しい。今週末、改良された新しいパッケージが導入され、チーム全員が一生懸命頑張ってくれたおかげで、僕は予選でフロントローを獲るチャンスをつかめた。先頭集団で戦えるクルマを与えてくれた彼らに感謝したい。上位の結果を狙えるチャンスがあると思っていたので、予選では集中力を切らさないことを優先した。僕のラップタイムはクルマから引き出すことができる最速のタイムだと思うので、大変満足している。目標はもちろん、トヨタのホームグランプリでの表彰台獲得で、明日の決勝を楽しみにしている。最初の1周をうまく乗り切り、素晴らしい成績を出せるように全力を尽くす。
10 ティモ・グロック(トヨタ) 予選14位
コメント発表されず。
11 ハイミ・アルグエルスアリ(トロロッソ) 予選15位
アクシデントの前は、ハードタイヤですごくプッシュしていたんだ。そしたらコントロールを失い、ウォールに突っ込んでしまった。かなりすごい衝撃だったよ。マシンはひどい状態に見えるけど、僕は無事だった。高速のターン9では自信を持って攻めていけたので、プッシュしていったら、ハードタイヤで少しスピードを出しすぎてしまった。コースアウトした後は全くグリップしなかった。あそこで出るスピードを考えると、あそこの縁石はあまりにも高すぎる。マシンが無事に直って、自分の予選ポジションからスタートできればいいな。今日の朝のプラクティスでしかドライの走行ができなかったから、予選は難しくなると思っていた。しかも僕はここを走るのが初めてだからね。もちろんクラッシュしたことはよくないけれど、僕らは前進していると感じているし、決勝ではうまくリズムに乗れさえすれば、いいレースができると思う。チームの皆の仕事を増やしてしまって申し訳なく思っている。
12 セバスチャン・ブエミ(トロロッソ) 予選10位
Q3に進出したのに、マシンをクラッシュさせてしまってセッションに参加できなかったので、がっかりしている。Q3進出は今季2回目で、今日のマシンは最高によかっただけに、ものすごく残念だ。そこそこ安心できる状況だったから、あの最後のラップは必要なかったのかもしれない。Q1でクラッシュした後、なんとかピットに戻ってマシンを直してもらった。だから、2回目のアクシデントの後もどうにかしてピットに戻らなくちゃと思ったんだ。コクピットの中からは、ダメージの度合いが分からないからね。あそこの場所は縁石がすごく高くて、あの通過スピードで縁石に触れてしまうと、マシンが飛んでいってしまうんだ。チームには手間をとらせることになってしまった。決勝ではこのマシンの高いパフォーマンスをきちんと生かして、彼らの努力に報いたい。
14 マーク・ウエーバー(レッドブル・レーシング) 予選20位(ノータイム)
週末に向けた準備が今回のような状況になると、そこそこのグリッドポジションからレースをするチャンスが持てなければかなり厳しい。特にメカニックたちは大変だ。それほど大きなクラッシュというわけではなかったが、シャシーにかなりのダメージがあったので交換しなければならなくなった。スペアカーはないので、こういうことになって残念だ。(フリー走行の)最後の走行でマシンに少し変更を加えて走っていたら、ターン8で底を打って、コントロールを失った。
15 セバスチャン・ベッテル(レッドブル・レーシング) 予選1位
今日は集中力が途切れないように心がけた。たくさん事故があって、おかしな予選だったからね。一番重要なのは、誰にもケガがなかったことだよ。予選はたった1周速いタイムを出すための戦いだから、普通、限界までプッシュするんだ。でも、ターン9では何人もコースオフし、とても難しい状態だった。あそこでワイドになりすぎて縁石に乗ってしまうと、スピードを落とせなくなり、基本的にマシンをコントロールすることはできなくなる。あそこはランオフエリアがほとんどなくて、ウォールが近いから、すぐにヒットすることになるんだ。他のマシンに関しては、赤旗が出た時にタイヤのウォームアップに取り掛かろうとしていた場合はラッキーだけど、フライングラップをスタートしていた場合もあるよね。今日のマシンは素晴らしかった。Q1、Q2、Q3と最速だった。一番難しかったのはたぶんQ3だった。レース用の燃料を積んで、1周アタックをするわけだからね。S字を抜けるのは簡単ではなかったし、タイヤは2周目まではもたなかった。すごく満足しているよ。シンガポールの後、パフォーマンスが戻ってきて、マシンをポールポジションにつけることができた。今日はいい一日だった。明日がどうなるか、期待しよう。
16 ニコ・ロズベルグ(ウイリアムズ) 予選11位
たくさんのアクシデントが起きて、ドラマチックな予選だった。多くのドライバーがコースアウトをしたことが、ここが本当に容赦のないコースであることを証明している。僕は今日の自分のパフォーマンスにあまり満足していない。クルマに快適に乗れていなかったんだ。Q1は良かったものの、それ以降はその時ほどのグリップレベルを得られなかった。もちろん11番手より上の位置につきたかったけど、少なくとも僕らは明日の戦略を選ぶチャンスを得たよ。
17 中嶋一貴(ウイリアムズ) 予選17位
今日はドライのコンディションであまりグリップが得られなかった。あるいはクルマから最高の力を引き出せなかったのかもしれない。昨日のウエットの状態では良かったのに、ドライになったらうまくいかなかくて、とても残念だ。地元のたくさんのファンの前で走れるのはすごく嬉しいことだし、彼らのためにも明日はもっとうまくやれるよう願っている。
20 エイドリアン・スーティル(フォース・インディア) 予選4位
よく知っているコースを走るのは気持ちのいいものだよね。気分よく、自信を持って走れる。僕らのクルマは過去にも、この手のサーキットで良いパフォーマンスを発揮しているし、ここまで僕らは力強い週末を過ごしている。でもトップ5でレースができるなんて期待していなかった。4番手は明日のスタートに向けて本当に素晴らしいポジションだよ。何回も赤旗が出て、長いセッションだった。走るのをやめてピットに戻ったり、出て行ってまた集中しなければならなかったりと、大変だった。最終的にはうまくいったし、最後の数周はクルマのフィーリングも素晴らしかった。3番手とのタイム差も、ほんの100分の数秒ととても僅差だった。あいにくルイスがセッションの最後の最後ですごくうまくやったんだ! シンガポールでは本当に大変な週末を過ごしたから、この位置に戻ってこられて良かった。チームにとって、ただただ素晴らしい結果になったよ。明日も厳しく長いレースになるだろうけど、自分がやるべきことをやるだけだよ。ベストを尽くす。
21 ビタントニオ・リウッツィ(フォース・インディア) 予選19位
午前中のフリー走行でギヤボックスに少し問題が出て、ソフトタイヤも含めて必要だったテストの全てをこなすことができなかった。これが高くついたよ。チームの皆はもう一度予選に出られるようにギヤボックスを換えたりと、素晴らしい仕事をしてくれた。だけど予選中はアンダーステアが酷く、結果的に100%ではなかった。悪いことに今日は気分的にもベストではなかったから、本当にいろんなことが組み合わさってこうなった。明日は確実にもっとうまくいくよ。
22 ジェンソン・バトン(ブラウンGP) 予選7位
今日はとても楽とはいえない予選だった。昨日のプラクティスではほとんど走れず、予選が何度も中断されたからね。予選中に3度も赤旗が出るなんて、めったにないことだ。アクシデントに遭ったドライバーが全員無事であることを祈っているよ。必要な情報をすべて把握して、次の走行に向けて冷静さと集中力を保たなければならず、本当にストレスのたまるセッションだった。Q1とQ2で軽い状態の時にはマシンは好調で、フィーリングがよかったけれど、Q3で燃料を積むと、ファーストセクターでリヤのグリップがなくなり、苦戦した。アタックラップで、残りのセクターではマシンはよかったのに、ファーストセクターでタイムをロスしたんだ。これは予想していたことであり、この状況の中で最善を尽くさなければならないことは分かっていた。
23 ルーベンス・バリチェロ(ブラウンGP) 予選5位
鈴鹿での僕らの速さのレベルを考えれば、今日の予選には満足している。Q1とQ2はあまりコンペティティブなセッションにはならなかったので、自分たちがどのへんのポジションになるのか予想をするのが難しかった。でもレースの燃料を積んだ状態で僕のマシンはよく機能していたし、最終予選でジェンソンの前に出ることができた。燃料を比較しても、選手権争いにおいていい状況だと満足している。今日は大変な一日だった。いくつも事故が起きて、進行が遅れる中、集中力を保たなければならなかった。鈴鹿は素晴らしいコースで、カレンダーの中でもベストのサーキットのひとつだ。でも今日は、ここをドライブすることの難しさが証明される結果になったね。